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ボルトンにバカにされていた小泉純一郎首相

 ジョン・ボルトンといえばトランプ大統領によって国家安全保障担当の大統領補佐官に任命された人物だ。

 しかし、私にとってのボルトンは、2003年にブッシュ大統領がイラク攻撃をした時、そのお膳立てをしたネオコンのボルトン国務次官だ。

 そのボルトン氏が小泉純一郎首相を馬鹿にしていた事をきのう3月30日の毎日新聞で初めて知った。

 「布施広の地球儀」というコラムで、専門編集委員の布施広氏が教えてくれた。

 ボルトン氏には「Surrennder Is Not an Option」という著書があるらしい。

 これを布施氏は「屈服なんてしない」と訳している。

 私ならさしずめ「俺には屈服という選択はない」、あるいは「俺の辞書には屈服という言葉はない」とでも訳すところだが、それはさておいて、この書者は未邦訳であり、だから日本では誰も話題にしたことのない本らしい。

 だからこのエピソードも誰も知らないが、それを布施氏は教えてくれたのだ。

 ボルトン氏は次のようなエピソードを書いているらしい。

 2006年6月小泉首相が最後の訪米をした事があった。

 その時ボルトン氏は副大統領主催の昼食会で小泉首相と一緒だったらしく、ボルトン氏を見かけた小泉首相が「ボルトンさん、あなたは(日本で)有名ですよ」と英語で話しかけて来たと書いているという。

 いかにも小泉首相らしい。

 当時日本ではネオコンのボルトンという言葉がいたるところで飛び交っていた時だ。

 小泉首相のボルトン氏に対する知識といえば、まさしくネオコンのボルトンで、それが頭にあって日本で有名だとおだてたのだ。

 英語で語りかけたところも小泉首相らしい。

 俺でもそれぐらいは英語で語りかけるというわけだ。

 いや、それぐらいしか言えないから、ここぞとばかりそれだけは英語で語りかけたのだ。

 ところがその後にボロが出た。

 ボルトン氏は自分に関心があると勘違いして長々と小泉首相に語りかけたという。

 ところが、小泉首相はうわの空で聞いていたという。

 反応を示さない小泉首相に頭に来たボルトン氏はその回顧録の中で「彼の心はもうグレースランドへ飛んでいたのだろう」と皮肉って書いているという。

 グレースランドは観光地になっているエルビス・プレスリーの邸宅がある場所だ。

 あの時、ブッシュ大統領は朋友小泉純一郎の最後の訪米を思って米国議会で演説する機会をわざわざ用意した。

 しかし小泉首相はそれを断ってエルビス・プレスリーの邸宅を見てみたいと答えたのだ。

 当時その報道を見た私は、これほど恥ずかしい事はない、さぞかしブッシュは驚き、失望し、そして馬鹿にしたに違いないと思った。

 その事を当時のメルマガにも書いた。

 なぜなら米国議会で演説する事は訪米する外国要人にとってはこれほど名誉の事はない。

 それを断ったうえに、よりによってプレスリーの邸宅を見てみたいとみずからミーハーぶりをさらしたのだ。

 日本の首相が米国大統領に、である。

 ブッシュ大統領はこの事を内部で言いふらし、ブッシュ政権の中では有名な笑い話になっていたに違いない。

 だからボルトン氏も知っていて、わざわざ回顧録で皮肉って書いているのだ。

 小泉というあの時の日本の首相は、ここまで軽薄な男だったと。

 おそらく安倍首相もトランプ大統領やその側近たちに、同じように言われているに違いない。

 「日本の対米外交破れたり」の動かぬ証拠である(了)

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