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南北、米朝首脳会談の成功を素直に喜べないメディア

 これまで何度も書いて来たが、北朝鮮問題となると日本のメディアはすべて総安倍化しているごとくだ。

 北朝鮮をめぐる一連の首脳外交を素直に喜べず、むしろ成功しない事を願っているような報道ばかりしている。

 置き去りにされた安倍政権とその応援団が失敗を望むのはわかる。

 しかし、「ゴマすり外交の限界」と題して、蚊帳の外に置かれた安倍首相を批判している東京新聞(3月30日こちら特報部)ですら、きょう3月30日の紙面で、きのう開かれた南北閣僚級会談を批判的に書いている。

 すなわち、南北首脳会談を4月27日に開く事では合意したものの、会談後に発表された共同報道文は、最重要課題である「朝鮮半島の非核化」には一切触れられなかった、北朝鮮と韓国の立ち場の違いが浮き彫りになったと。

 日米韓はこれまで非核化を巡る交渉で北朝鮮に合意を破棄された裏切りの歴史があり、油断できないと。

 これでは、まるで安倍外交を擁護しているようなものだ。

 「朝鮮半島の非核化」という最大のテーマについて合意されるとしたら、それはまさしく首脳会談においてであって、準備段階のいまは何も言及されないのは当たり前だ。

 しかも、過去の非核化交渉と今回の非核化交渉は、その歴史的状況も意味合いも、まったく異なる。

 朝鮮戦争の終結まで見越した今度の一連の首脳会談の重みが、まるで分っていない東京新聞の記事だ。

 そうかと思ったらきょうの朝日が書いていた。

 金正恩の電撃的訪中は中国も予想外だったと。

 すなわち金正恩は何度も中国から訪中を要請されていたが拒否し続けて来たと。

 それが一転した受け入れたのだと。

 そのことを日米韓は何も知らされていなかったと。

 まるで、蚊帳の外に置かれたのは安倍首相だけではなかったと言わんばかりだ。

 東京と朝日がこれだから産経や読売は推して知るべしだ。

 要するに、日本のメディアは皆、今度の南北、米朝首脳会談の結果がうまく行かない事を望んでいるのだ。

 終ってしまった中朝首脳会談ですら、あら探しばかりしている。

 どうして素直に喜べないのだろう。

 まさしく北朝鮮問題については、国会はもとより、日本のメディアは総安倍化している。

 そして、それは無理もない。

 日本のメディアもまた勉強不足、取材力不足で、この一連の朝鮮半島の和平という歴史的大転換の蚊帳の外に置かれているからだ。

 メディアに安倍首相を笑う事は出来ない(了)

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