予想した手前、私は9時半から始まった佐川証人喚問を注視して見ていたが、始まった途端、たちまち失望して見る気をなくした。
自民党の丸川珠代議員から始まった質問が民進党の小川議員の番になっていまこれを書いている。
書き終わったら中継を見るのをやめる。意味がないからだ。
結論から言えば私の予想は見事に外れ、この上なくつまらないものになりそうだ。
いや間違いなくそうなる。
なんといっても私が間違っていたのは、検察の捜査が入った時点で肝心なところについて話せないのは当然だということだ。
それは格好の逃げ答弁の口実になる。
しかしそれだけではない。
もし佐川氏が検察に何もかも正直にしゃべっているとしても、それを他のところでしゃべれないのは当然だ。
そんな事をすれば検察の立場がなくなる。
訴追を免れるためだけではなく、検察との信義の関係でそれは出来ない。
そして質問者も、たとえ、野党議員でも、訴追の恐れのある者の権利を奪ってまで答弁を強要することは出来ない。
検察に取り調べられている者に対する証人喚問には限界があるのだ。
その基本的な問題を脇においても、佐川氏の答弁は失望的だった。
確かに彼は自らの責任を認め、謝罪はした。
自らの答弁の不適切さを認めた。
おそらく検察に対しては正直にしゃべっているだろうし、訴追も覚悟しているかもしれない。
しかし、それならもっとはっきり答弁のウソを認める事が出来たはずだ。
しかし、歯切れが悪かった。
国会答弁の繰り返しだ。
ひょっとして、この期に及んでも自らの責任を最小限にとどめようとしているのではないかという歯切れの悪さだった。
私の予想が的中したのはただ一つ。
安倍夫妻その他官邸、財務大臣などの指示、影響を聞かれて、一貫してこれを否定し続けた事だ。
それを聞いた自民党の丸川議員の質問は、「証人喚問ではっきりしたことは安倍夫妻の関わりは一切なかったことがわかりましたと」いって終わった。
まさしく不毛な証人喚問を象徴する言葉だ。
因みに、書いているうちにいつしか質問者が共産党の小池氏にうつっていた。
何が気に障ったのか知らないが、佐川氏の答弁に不満だったらしく大声をあげてこんな証人喚問は無意味だと大騒ぎをした。
速記を止める事態に発展した。
こんな証人喚問は見た事がない。
国会の質疑応答と全く同じだ。
佐川氏に八つ当たりしてどうするというのだ。
こんな証人喚問だけで終わりにするわけにはいかない、安倍昭恵夫人を含めすべての関係者の証人喚問を求めると大見得を切って小池氏は質問を終えた。
これまた不毛な証人喚問を象徴する光景だ。
残念ながら証人喚問は不発に終わる(了)
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