共和党内にも、そして国内産業からも反対の意見があったにもかかわらず、ついにトランプは鉄鋼・アルミの輸入制限に踏み切った。
しかも、その理由として、米国の安全保障が脅かされている、という最後の切り札を切って。
いくら11月選挙の中間選挙対策だと言っても、そしていくらトランプが間違っているといっても、これは天下の愚挙だ。
きょう3月3日の読売新聞の社説さえ批判している。
報復合戦を引き起こす短慮だと。
実際のところ、中国やEUは対抗措置を取ると反発している。
日本の産業界も懸念を評している。
ところが安倍政権だけがピント外れの反応を示している。
菅官房長官は、日本は米国の安全保障の脅威にはならないと言ったらしい。
なるも、ならないも、それは日本が決める事ではない。
米国の大統領が、日本の輸出が米国の安全保障を脅かしていると言っているのだ。
せめて、それは遺憾だ、というぐらいの事を言ってみたらどうか。
世耕経済産業大臣は、日本への適用に配慮を求めると言ったらしい。
何で「お願い」なのか。
明らかなWTO違反なのだから、他の国に対してやって来た通りに、WTOに提訴すると、何故言えないのか。
それでも、菅官房長官も世耕経産相も、発言しただけ、まだましだ。
報道を見る限り安倍首相の声は聞こえない。
国会で野党は質問したのだろうか。
世界でただひとり、トランプに直言出来る仲だ。
世界でただひとり、安倍首相の言う事なら、激怒することなく耳を傾ける仲だ。
そう、メディアは安倍首相とトランプの仲を誇ってきたのではなかったのか。
批判せよとは言わない。
対抗措置を取れとも言わない。
せめて安倍首相は、思い直した方がいいですよと、トランプに自制を求める助言の一つでもしたらどうか。
それを言えば安倍首相の株も上がるのに。
このまま沈黙を守るようでは安倍首相は情けない。
安倍・トランプの仲は、100%従属する関係で出来たいかさまの仲だということを、みずからバラすことになる(了)
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