文大統領がトランプ大統領と電話し、南北首脳会談の実現に向けて特使を派遣する事をトランプ大統領に伝えたという。
このニュースはすでにあらゆるメディアが報じていたが、いずれもトランプ大統領が電話口でどう反応したか、その事に言及するものはなかった。
トランプ大統領の反応こそが最も重要で、誰もが知りたい事だ。
そう思っていたら、その知りたい事を今朝のNHKの早朝ニュースがはじめて伝えた。
NHKの早朝ニュースは、しばしば重要なニュースを他社に先駆けて流す。
このトランプ大統領の反応も、そのひとつだ。
間違いなく安倍政権の中枢に近い者から得た情報だ。
トランプ大統領は文大統領に何と応じたか。
米朝交渉の前提として北朝鮮の非核化は譲れない、そう伝えたとNHKは報じた。
安倍政権としては、トランプ大統領は決して譲歩しない、北朝鮮への圧力は緩めない、日米の結束は揺ぎ無い、文大統領の仲介は奏功しない、そうNHKに伝えてもらいたかったのだ。
そしてNHKはその通り流した。
しかし、私は、NHKが伝えるこのトランプ・文電話会談によって、いよいよ、米朝交渉が、文大統領の仲介によって本格的に始まったと確信した。
そのキーワードは「非核化」にある。
文大統領は特使を通じて金正恩に「非核化」に応じるように伝えるだろう。
しかし、その時、同時に、こう金正恩に伝えるだろう。
「非核化」は必ずしも「核放棄」を意味しない。
同床異夢でもいいから、ともかく「非核化」を受け入れて米朝対話を始めるべきだ、と。
すなわち、名護新市長と菅官房長官が辺野古移設容認をどう表現でごまかせるかに腐心するように、文大統領は、「非核化」という言葉を相対化させ、その事によって米朝対話のきっかけを作ろうとするに違いない。
具体的には、文大統領は金正恩に対して、「非核化」とは、核放棄ではなく、核凍結、もしくは核不使用と解釈し、米国の要求に応じた形にするよう、懸命に説得するだろう。
南北対話に舵を切った金正恩は、文大統領のこの説得を一蹴することなく、耳を傾けるだろう。
そして、この表現による「非核化」の相対化は、トランプにとっても決して悪い話ではない。
面子を保ったまま戦争を回避できるからだ。
おりから、米軍は先週、朝鮮半島有事を想定した極秘の頭上演習をしたと2月28日のニューヨーク・電子版がすっぱ抜いた(3月2日東京)
それによると、最初の数日間だけで約1万人の米国軍人が戦闘で負傷し、民間人の死傷者は最大数十万人に上る可能性があると推計したという。
トランプは戦争できないのだ。
米朝対話はトランプにとってもいまとなっては渡りに船なのだ。
私は、文大統領の、この懸命な外交努力が奏功し、米朝対話が近く始まると確信している。
外交ベタのトランプが譲歩し、そのトランプに100%従属する安倍首相がはしごを外されるのは目に見えている(了)
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