きょう1月29日の「風知草」で、毎日新聞の山田孝男特別編集委員が、安倍首相が唐突に平昌五輪の開会式に出席すると発表した事について、その背景を語っている。
その根拠は、彼が永田町(官邸高官)と霞が関(外務省高官)で聞きまわって入手した情報であるという。
いわく、行かないという選択肢は、はじめからなかったと。つまり、行かないとなれば世界はまだ慰安婦問題が終っていないと見る。慰安婦問題が再び問題化する。総理はそれを意識したと。
さらにまた、韓国は隣国であり日本には在日の方もたくさんおられる、日本も東京五輪が控えている、何よりも、世論の過半数は出席すべきと考えていることがわかった、と。
いわく、最初に一面トップで「首相欠席」と書いたのは1月11日の産経新聞で、その産経新聞が1月24日に単独会見で「首相出席」と修正したと。安倍政権と親密な産経新聞のこの「揺れ」は、そのまま安倍首相自身の「揺れ」だったと。
(ペンス副大統領の出席を早々と決めた米国側からは)行った方がいいのでは?という示唆はありましたよ。でもだから従ったわけじゃない、と。
本当に永田町や霞が関の高官がこのような発言をしたかどうかは私にはわからない。
しかし、山田記者はこれらの発言を紹介した上で、こう締めくくってる。
対米協調の陰で対米自立も進んでいる。「韓国疲れ」は日本の現実だが、日本人は韓国に仕返ししようなどとは考えていない。日本が外交上の不満を五輪に絡め、首相があてつけに開会式を欠席するような国ではない、と。
御用記者の面目躍如だ。
見事な安倍首相の代弁記事だ。
これを要するに、産経新聞を使って観測気球を上げ、右翼のガス抜きをした上で、世論の大勢を見極めて決断した、と言っているのだ。
そんな回りくどい事を解説するよりも、外遊好きで、パフォーマンス好きの安倍首相が、おまつり気分の平昌五輪を欠席して、指をくわえて日本でテレビ観戦に満足していられるはずがない、そうはじめから書けばよかっただけである(了)
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