カナダで北朝鮮問題に関する外相会合が開かれ(日本時間午前1時ごろから始まったという)、今朝からNHKをはじめとしたテレビが、河野外相があたかも会合をリードして北朝鮮に対する圧力強化の方向に指導力を発揮しているかのようなニュースをくり返している。
この会合の結果は、日本時間の午前10時ごろに判明するというから、昼のニュースでは、はっきりしたニュースが流されるだろう。
だから、その前に書いておきたい。
今度のカナダ外相会合がどのような結果に終わろうとも、この会合で先頭に立って対北朝鮮強硬演説をした河野外相のピント外れな外交に終わる。
考えても見るがいい。
そもそもこの会合は朝鮮戦争の国連軍参加国が中心となって開かれた会合であり、いまや北朝鮮問題で欠かせない中国やロシアが参加していない。
意味ある会合になるはずがなく、日本が張りきる場ではない。
おまけに、この会合がカナダと米国によって提唱された昨年末と、新年早々、金正恩が平昌五輪参加を電撃発表してからとでは、状況は激変している。
平昌五輪や南北対話の帰趨がどうなるかはまったく予測不能であり、おまけにトランプ大統領の無茶ぶりが極限に達しつつある中で、北朝鮮情勢はどうなるかわからないが、少なくともいまは話し合いの方向に世界の期待は向かっているし、皆がそれを期待している。
そんな中で、カナダの外相会合が、対北朝鮮強硬一本やりで終わるはずがない。
もしそんな結果で終わるなら最悪の外相会合となる。
そんなカナダ外相会合がきっかけで、北朝鮮が硬化し、再び北朝鮮の危機が高まり、あとは戦争しかなくなる。
もし戦争になれば、それに事に手を貸したカナダ外相会合の責任が問われ、そこで張り切った河野外相は悪人になる。
もし今度の外相が、金正恩の出方を見守り、平昌五輪や南北対話の成功に期待したいという結果に終われば、河野外相の強硬演説は、平和的解決を願う国際社会から孤立する愚をおかすことになる。
どちらに転んでも、河野外相の強硬発言は失敗だ。
韓国との関係改善に役立たず、金正恩を激怒させただけに終わる。
おまけに、もしトランプ大統領が豹変し、カナダ外相会合の後に北朝鮮情勢が話し合いの方向に急転すれば、目も当てられない。
河野外相は当初の予定通り、こんな会合には参加しなければよかったぐらいだ。
参加してもいいが、強硬一点張りの演説をしたのは外交失敗だ。
それを持ち上げるしかないテレビのニュースは、毎度のことながらピント外れである(了)
首相と外務大臣の外交。国々にはそれぞれ、歴史もあり、国民感情も複雑だ。
安倍首相がルーマニアに行く前の訪問国のセルビアとコソボの首脳と紛争や安全保障問題でベルギーのブリュッセルで話し合うことになっていた。
しかし16日にコソボのセルビアよりの政党党首が事務所の前で射殺された。すでにベルギーにいたセルビアの首相は怒り会談を打ち切った。
経済も必要といっても、相手国には地域問題を抱えている場合がある。日本の首相の訪問後直ぐにこんな問題が起きるのは目覚めが悪い。
ルーマニアの首相の辞任といい、首相が決めたらどんな情勢下でも外遊するのがよく解った。
18日にはオーストラリア首相が日本訪問して首脳会談をする。北朝鮮に圧力とインド太平洋地域という言葉が踊るのだろうか。