きょう1月4日の産経新聞が一面トップで大きく報じた。
すなわち、昨年の12月上旬に、米朝が北京で極秘協議を行っていたことがきのう2日にわかったというのだ。
米朝が極秘協議をしただけなら驚かない。
すでに米朝の接触はこれまで何度も報じられてきたからだ。
しかし、この産経新聞の記事で注目されるのは、この極秘協議と、12月12日にティラーソン米国務長官が講演で、「前提条件なしで北朝鮮との最初の会議を開く用意がある」と発言したことが結び付けられていることである。
すなわち、産経新聞は、米政府内で対北朝鮮融和派が巻き返しに出たと書かれているところである。
二つ目はこの産経の記事が、1月16日からカナダのバンクーバーで始まる閣僚会議に言及し、日本とカナダのやり取りを、次のように書いているところである。
つまり米国務省とパイプを持つカナダは、12月6-8日にオタワで開かれた日本とカナダの外務・防衛協議の際、「北朝鮮と交渉しなければならない。その点は米政府とも話し合っている、圧力一辺倒では問題がある。不測の事態が起きる」と懸念を述べたという。
これに対し、バンクーバー会議が対北融和となる事を懸念して河野外相は出席を拒んだ。
米ホワイトハウスもまた「無条件対話」を否定し、圧力を重視するマティス国防長官も出席する方向で調整を始めた。
それ知って河野大臣も出席する事に方針転換した。
このような経緯があったというのだ。
つまりトランプ大統領がティラーソン国務長官を抑え込んだのだ。
これを要するに、トランプ政権には北朝鮮に対する方針が対立しているということだ。
もしティラーソン国務長官が更迭されずにこのまま国務長官に留まるなら、トランプ大統領がティラーソン国務長官の国務省に、一定の譲歩をしたということだ。
もちろん、国務長官に留まる限りティラーソンも最後はトランプ大統領に譲歩するしかない。
そんな米国を前に中国もまた苦慮している。
トランプ大統領を怒らせてはいけないから制裁強化には応じるが、対話の重要性は繰り返す。
米中が身動き取れない中で、しびれを切らした北朝鮮が韓国との直接対話に戦略を切り替えたのが新年のメッセージだったと思えば合点が行く。
主役はやはり南北両国だ。
南北両国が直接協議を始めれば、米朝協議など吹っ飛ぶ。
トランプ大統領がここにきて、金正恩のメッセージを米韓分断だと批判するようになったのも頷ける。
このように、いま北朝鮮と韓国、米国、中国は、激しい駆け引きを行っている。
対米従属、いや対トランプ従属しかない安倍首相の言葉が、いつになっても聞こえてこないのは当然だ。
しかし、いつまでたっても何も語らないわけにはいかない。
幸いにもトランプ大統領は北朝鮮を批判し始めた。
これで安心して安倍首相も発言できる。
トランプ大統領と同じ様な北朝鮮批判を始めるに違いない。
しかし、気をつけたほうがいい。
米国が一転して融和に回らない保証はない。
それを恐れてトランプ大統領に圧力強化の方針を変えないでくれと働きかけるとすれば、本末転倒だ。
新年早々、安倍外交は最大のピンチに追い込まれた。
そのことを教えてくれた産経新聞のスクープ記事である(了)
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