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アドナン・カショギ氏の訃報に思う

 きょう8月15日の東京新聞は、終戦の日の社説として「誰が戦争を止めるのか」という記事を掲げている。

 その記事は、もし人類が進歩するというのなら、戦争の世紀から平和の世紀に変えなければいけないとして、普通の人たちの正義が政権を動かす例を列挙している。

 しかし同時に戦争を商売にする者や戦争に興奮しする国民がいる事も書いている。

 その一人がアドナン・カショギ氏だ。

 東京新聞のその社説の冒頭はこういう文章から始まっている。

 「・・・6月世界に配信されたアラブの武器商人アドナン・カショギ氏の訃報。81歳・・・」

 この記事で、私ははじめてアドナン・カショギ氏が今年の6月に死んでいた事を知った。

 サウジアラビアのメッカで宮廷医の父に生まれたカショギ氏は、米国に留学中に米国からエジプトに大量のトラックを売る仲介からはじめて、その後武器商人に転じ、世界で知らない者はいないほどの武器商人になった。

 私がサウジアラビアに勤務していた時、よく耳にした人物だ。

 まだ生きていたのだ。

 そして今年の6月に死んでいたのだ。

 東京新聞の社説には、カショギ氏の訃報は6月に世界に配信されたと書かれている。

 つまり、武器商人カショギ氏の名前は世界ではそれほど知られているということだ。

 しかし、日本では、このカショギ氏の訃報を報じる記事を私は見た記憶がない。

 きょうの東京新聞の社説ではじめて知ったくらいだ。

 これを要するに、日本と言う国は、これまでは武器商人には馴染みのない国であったということだ。

 しかし、これからは違ってくるかもしれない。

 安倍首相の武器輸出解禁により、これからの日本は武器輸出国となる。

 武器商人が横行するような日本になるのかもしれない。

 菅官房長官を記者会見で追いつめて有名になった東京新聞の望月衣塑子という記者には、「武器輸出と日本企業」(角川新書ー2016年7月初版)という著書がある。

 その最後はこうしめくくられている。

 「私たち日本人は、武器輸出に踏み切ったことで、欧米と同じ世界に一歩踏み出した。本当にこのままでいいのか・・・」

 望月記者が本当に追及したかったのは、加計疑惑をごまかす菅官房長官ではなく、なし崩し的に憲法9条違反を進める安倍政権に違いない。

 そう思わせてくれた、アドナン・カショギ氏の訃報の記事である(了)

 

 

 

コメント & トラックバック

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  1. 天木さん、僕も東京新聞の望月女史には、以前、応援メッセージを送った一人です。彼女が6月に菅官房長官へ発した詰問は鋭く、多くの国民は拍手を送った事でしょう。と同時に、彼女の仕出かしたアクションが、少しのウェーブを作ったのは事実です。彼女のフィールドワークとしている、兵器産業の実態への指摘及び糾弾は、世直しの第一歩です。でも、それは、命懸けの事でもあります。民主化を推進するゴルバチョフが、軍産複合体に操られるソ連保守派によって、クリミア半島へ一時幽閉され、世界が固唾を呑んで見た事件も、同類の出来事でした。右や左のイデオローグがどうであれ、この土俵の上で左右両派対立が軍産学複合体に操られ、彼等の懐のみを脹らませている限りは、根本的な世直しなんて出来ない。憲法窮状問題も、こうした軍産学共同の産物にしか過ぎない。この構造的で本質的な問題に切り込んで行けるかどうかが、戦争勃発に歯止めが掛けられるか否かに繋がる。天木さん、あれから72年が経つ終戦記念の今日、相も変わらず「悲惨な戦争」は繰り返すまいと、お決まりのステロタイプ的演出から抜けられぬ、テレビを始めとするメディアの為体を、どう受け止められていますか。

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