アセアン発足の50周年に当たる8月8日を前にして、フィリピンのマニラで8月5日アセアン外相会議が開かれる。
そして、その会議にあわせて、7日から日本や米中露などを含む27カ国・機構が参加するアセアン地域フォーラム閣僚会議が開かれる。
ところが、その主役は、北朝鮮を封じ込めようとする米国と、それに反対する中国だ。
ついに米国は北朝鮮を参加させないとまで言い出した。
そもそもアセアンは、日本のアジア外交の中でも、経済協力を中心に日本が指導力を発揮できる数少ない外交舞台だった。
特にアセアン地域フォーラムは、日本の主導の下でアジアの集団安全保障体制づくりとして期待されて始まったものだ。
ところが、いまや米国が堂々と干渉し、それに抵抗する中国とのせめぎ合いの場となってしまった。
対米従属に走る日本に出番はない。
それどころか、米国の後について、アセアン地域フォーラムの発展を阻害する役回りをさせられている。
なんという外交失敗であるか。
私は35年の外交官人生において、アセアン外交にもアセアン地域フォーラムの育成にも携わった事がある。
当時の日本外交の躍動感を思い出すにつけ、いまの日本外交のみすぼらしさには涙が出る思いだ。
日本外交をここまで貶めた安倍首相と、安倍首相に忖度するしかない谷内正太郎や外務官僚たちは、これまでの日本の首相や外務省の先輩たちに、いくら謝罪しても、謝罪し切れない過ちを犯したと私は思っている(了)
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