きのう8月3日の産経が書き、そしてきょう8月4日の朝日が書いた。
中国紙によれば、ジブチで中国海軍と日本の海上自衛隊が摩擦を起こしたと。
具体的には、ジブチに停泊していた中国艦船に対し、海自の自衛隊員が潜水して近づき、中国軍に見つけられて追い払われたという事件だ。
これが事実なら一大事件である。
中国紙はこれを「軍事摩擦」と報じ、日本の行為が「違法」であり、「追い払った」と報じている。
しかし、この報道に対し、河野克俊統合幕僚長は3日の記者会見で、「中国側が指摘するような危険行為があった事実はない」と否定したという(4日朝日)
この事件は徹底検証されなければいけない。
そして、その真偽がどうであれ、このような事件が起きていたとすれば大問題だ。
自衛隊の憲法9条違反が恒常的になっているということだ。
そもそも日本はジブチになぜ自衛隊を派遣しているのか。
それは海賊防止のための国連決議にもとづく警備協力だという事になっている。
いわゆるPKO派遣ではないのだ。
しかし、その実体は、PKO派遣よりたちが悪い。
海賊防止協力という名を借りた自衛隊の海外拠点づくりである。
だからこそ、海賊が減っても海自の艦船が常駐しているのだ。
憲法9条の下では海自は軍隊ではない。
しかし、中国にとっては軍隊だ。
中国にとって自衛隊のジブチ拠点は日本軍の拠点である。
そして、憲法9条のない中国は、隠す必要もなく、日本の自衛隊に対抗する形で中国軍の拠点としてジブチに軍艦を常駐させている。
つまり中国にしてみれば、日中両国の軍事拠点がにらみ合った中で起きた「軍事摩擦」なのだ。
一歩間違えば日中が局地戦を戦う危険があるということだ。
このような危険な状況がソマリア沖で続いていたということだ。
憲法9条を持たない中国については問題にならない。
しかし、憲法9条を持つ日本がこのような状況にあるとすれば由々しい事だ。
自衛隊が完全に憲法9条違反状態にあるという事だ。
おりから南スーダンで明るみになったのが自衛隊という組織の不透明さだ。
この際、自衛隊の海外派遣の現状について徹底的に検証されなければいけない。
図らずも中国紙が報じたソマリア沖の「日中軍事摩擦」は、このまま黙って見過ごすには重大過ぎる報道なのだ。
日本のメディアは中国紙の報道を引用するだけでなく、独自に取材して真実を国民に教えるべきである(了)
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