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根室市長が北方領土視察団に参加できなかった驚愕の理由

 長谷川栄一という経産官僚出身の首相補佐官を団長とした官民合同調査団が北方領土を訪れたのは6月末だった。

 昨年暮れにプーチン大統領が訪日した時、北方領土返還交渉の成果の一つとして喧伝された日ロ共同経済開発のフォローアップとして派遣されたものだ。

 しかし、そもそもこの日ロ共同経済開発なるものは、北方領土返還交渉の失敗をごまかすために安倍首相が無理をしてでっち上げたアリバイづくりだったため、めぼしい成果もなく終わった。

 それどころか、北方領土問題についてのロシア側の強引さだけが目立った官民合同調査団だった。

 そのひとつとして、ロシア側が長谷川俊輔・根室市長が調査団に参加することを拒否したことがあった。

 とんでもない非友好的なロシア側の対応であったが、日本側はその事に対して抗議ひとつせず、しかもその時なぜロシア側が根室市長の参加を拒否してきたか不明だった。

 日本政府は明らかにせず、メディアはそれを日本政府に質そうともしなかった。

 それから一か月ほどたって、ついにその理由を共同通信が配信した。

 それをきょう7月16日の地方紙(下野新聞)が小さく報じた。

 ロシアのクリミア併合に対し、安倍首相は最後は欧米に協調して対ロ経済制裁に踏み切ったが、それに対するロシア側の報復制裁だったというのだ。

 日本政府は表向き、長谷川市長の不参加について「詳しい内容は説明できない」としているが、複数の日ロ外交筋が明らかにしたという。

 これが事実ならとんでもないことだ。

 安倍首相は「法の支配」の重視を繰り返す。

 「法の支配」の原則に基づいて行われているのが日本の北方領土返還要求であるとしたら、ウクライナ併合反対もまた「法の支配」の原則に基づいた外交だ。

 その外交に基づいた日本の対ロ制裁がロシア側によって逆制裁されているのだ。

 これほど「法の支配」に反したロシア側の対応はない。

 もはや、北方領土交渉は完全に行き詰ったということだ。

 こんな重要なロシアの長谷川根室市長参加拒否の理由のスクープを、大手メディアは一切報じようとしない。

 それどころか、きょう7月16日の産経新聞は一面トップで8月下旬に日ロ次官級協議が行われる事が分かったとデカデカと書いている。

 あたかも北方領土問題が進展するがごとくだ。

 安倍政権の行き詰まりに国民が気づかないはずである(了)

 

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  1. ①「法の支配」の原則に基づいて行われているのが日本の北方領土返還要求であるとしたら、《ウクライナ》併合反対もまた「法の支配」の    原則に基づいた外交だ。  という文章は 正確には《クリミア》併合反対 ではないでしょうか。 
    ② 伺いますが、現在のウクライナ政権は 選挙・議会などにより合法的に成立したのですか? 
      「法の支配」合法的・・・民主的・・・などの用語に  注意ですね。
    ③ 結局、ロシアを敵視する現ウクライナ政権に金を出したり、その政権を「カラー革命」なるものでつくった米欧と共に制裁しておきながら   領土返還を求める 安倍さんの外交センスって ものすごいですね。 

  2. 安倍首相が何度も会談を重ねて信頼関係を築いて「お友達」だとかなんだとか喧伝するプーチン大統領。そのロシア機に対してスクランブルが一番多い。摩訶不思議な現象ですね。おそらく公表されていない領空に入らない東京急行的なものは現在も多いのではないかと推察します。
    ロシア外交は詰まるところ日米安保です。スクランブルも然りです。ロシアは一貫して旗幟を鮮明に発言、行動をしていますが、目先の手柄目当ての自分の外交の失敗を埋め合わせる全く無駄な誤魔化し外交を重ねてもロシアは利あることのみに反応し利用されるだけです。
    しかし民主主義、情報公開を主張して世界中に発信しているスノーデン氏がアメリカではなくロシアにいる。最近の日本もアメリカも民主主義国というより、昔学校で教えてもらった共産主義国に近づいている様に感じます。

  3. 防衛省は、14日、領空侵犯の恐れがある軍用機などにたいして、自衛隊の戦闘機が今年4月から6月までの緊急発進が、ロシア機への発進が、

    前年同期より、1.6倍に増えている。中国機への発進が半減したため、総数では52回減り、計229回だった。読売ニュースより

    4月にはロシアの爆撃機が北方領土を通り、千葉県沖まで南下した。

    中国のことは、大きく報じるが、ロシアのことは、過少報道される。プーチン大統領は、日米同盟の変化がない限り、北方領土返還交渉はないと

    何度も明言している。ロシアに有利な経済協力なら喜んで受けるでしょう。ロシアの識者は、ロシアにくるカモのイエスマン首相は歓迎されると述べる。

    またこれで、強固な同盟国の米国の経済要求は、新大使の着任ともに激しくなる。

    国益を損なう首相とメディアの関係を正して、何を国民に明らかにすべきかを、夢を抱いてメディア界に入ったことを思い出してほしい!。

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