予想を大きく上回った小池都民ファーストの大勝利と安倍自民党の惨敗だったのに、なぜか高揚感が感じられない。
なぜか。
その理由は、今度の選挙には勝者がいないからだ。
安倍自民党が惨敗したのだから反安倍の国民は熱狂してもよさそうなものだ。
しかし、
反安倍の国民は、みな野党共闘を応援して来た者たちだ。
その野党共闘もまた見事に負けた。
民進党は5議席しかとれなかったし、社民党は、精一杯頑張ってもゼロだった。
確かに共産党は二議席のばして19議席を得た。
しかし、共産党が突出すればするほど、野党共闘は遠のく。
要するに小池都民ファーストの一人勝ちなのである。
もし、この勝利がそのまま解散・総選挙につながれば、高揚感は高まる。
しかし、小池都民ファーストは、そうすることの出来ない大きなジレンマを抱えている。
東京都議会の改革を訴えて挑んだ小池知事が、すぐに国政に向かえば批判をあびる。
東京五輪の成功の為には安倍自公政権と喧嘩ばかりしていられない。
すぐに国政に臨みたくても、する寄って来る政治家たちが、長島とか渡辺とか松沢とか、ロクな者がいない。
唯一の可能性は自民党の反安倍派との連携であるが、自民党の反安倍派の動きは見えてこない。
何よりも、安倍首相は解散・総選挙を先延ばしして、小池都民ファーストの国政進出を封じるだろう。
国政に向かわない小池都民ファーストは、豊洲移転をはじめとした東京都の問題に集中せざるを得ず、何をやっても独裁者呼ばわりされる。
小池都民ファーストもまた手放しで圧勝を喜べないのだ。
圧勝したにもかかわらず小池知事の表情に笑顔がなかったのは、はしゃぎ過ぎないように喜びを抑えているというよりは、これからが大変だという自覚のあらわれに違いない。
これを要するに、小池都民ファーストの圧勝にもかかわらず、日本を覆う政治状況は、これまでと変わらないのだ。
新たな動きが出てくるとしても、その動きはまだ先であり、どのようなものになるかは不透明である。
高揚感がないのは当然である(了)
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