きのう5月22日の午後、自民党の元地方創生担当相である石破茂氏がわざわざ記者会見をして、安倍首相の9条3項改憲案を批判したという。
みずから揮ごうした「着々寸進 洋々万里」という座右の銘を紹介した上で、平成24年に自民党が提示した憲法改正草案にこだわらずに自衛隊明文化を唐突に言い出した安倍首相を、あらためて批判したという。
これには驚いた。
何度も書いてきた通り、安倍首相の今度の改憲案は、文字通り総理大臣の職をかけた安倍首相の最後の大仕事であり、これからの政局の最大の問題である。
その安倍首相の改憲案を、今でも、そしてわざわざ記者会見を開いて批判する石破氏は、今度こそ本気でポスト安倍を狙っている。
しかも禅譲ではなく、堂々と政策の違いを掲げて。
私にとってこの石破氏の日本記者クラブでの安倍首相批判は衝撃的である。
しかし、私がもっと衝撃を受けたのは、そんな石破氏が自民党の中で急速に孤立しつつあると、きょう5月23日の産経新聞が清宮真一記者の署名入り記事で書いていたところだ。
安倍首相の朋友である古屋圭司選対委員長はもとより、24年当時の起草委員長の中谷元前防衛相も、ポスト安倍を狙う野田聖子元総務会長も、そして、いち早く安倍改憲案を批判した船田元自民党憲法改正推進本部長代行でさえ、いまや評価しているという。
確かに、このところの安倍首相の言動ますます前のめりになっている。
メンバーの強化という名の入れ替えを断行し、年内にも自分の考えに沿った新しい自民党草案をつくれと、はっぱをかけている。
その安倍首相におそれをなして批判を封じるのも分かる。
だからこの産経新聞の記事もうなずける。
というよりも、安倍首相の石破氏に対する怒りを代弁した記事だろう。
しかし、石破氏には、今度ばかりは腰砕けに終わらずに頑張ってもらいたい。
そして、石破氏に同調する自民党議員がこれからもどんどん出て来てもらいたい。
安倍改憲案を阻止できるとすれば、それは自民党内の分裂でしかないからだ。
たとえ石破改憲案が安倍改憲案より危険であっても、いまは、安倍改憲案を阻止する事がすべてに優先するからだ。
石破氏には改憲案で最後まで安倍首相と対峙してもらいたい(了)
9条3項追加の安倍総裁改憲案は「2項にかかわらず専守防衛の自衛隊の合憲化」を指すとうけとめれば、
これを明記すると15年制定の安保改正で、「集団的自衛権行使や他国軍への後方支援などの権限」を付与された自衛隊が、
こんどは憲法明記の3項違反になることが明らかになり、
どうしようもない矛盾という墓穴を掘ることを、石破さんなどの良識者はわかっているのじゃないでしょうか?
共謀罪法案について、再考を促す安倍首相への国連報告者書簡の全容はかなりの問題点を的確についています。それを菅官房長官は、不適切なものであり、強く抗議を行ったとしています。
東京新聞によれば、法学者であるケナタッチ氏は「プライバシーを守る適当な措置を取らないまま、法案を通過させる説明にはならない」と強く批判、日本政府はいったん立ち止まって熟考し、必要な保護措置を導入することで、世界に名だたる民主主義国家として行動する時だ」と訴えた。
氏は日本政府に引き続き、法案の公式な英訳文とともに説明を求めている。
そして改憲案を見れば、世界は日本が民主主義国家でなくなることを危惧するのは当たり前で、もうだいぶ入り込まれているが、日本人は国に干渉されない、言論の自由や、思想信条の自由を守りきることができるのだろうかと疑問符を持つ国も多い。その裏返しには、憲法9条のもと、平和な民主主義国家をこの世界に樹立してほしいという切なる世界の人の願いがあるように思います。
櫻井よしこ氏でも、共謀罪を賛成の立場であっても、個人が守らるべき、目に見える歯止め、外形的要件を定めるべきであると主張しています。
まともな自民党員の政治家としての目覚めを今は期待しています。