三度目の正直という言葉がある。
辞書で引くと、占いなどで、はじめの1、2回はあてにならないが、3回目が確実であるという意味だとなっている。
それで言えば、今度の石破茂の発言は何度目の正直なのだろうか。
自民党の石破茂元幹事長がきのう9日、東京都内で開かれた自らの派閥パーティ後の記者会見で安倍首相の改憲宣言についてこう語ったという。
「憲法9条を変えないといけないという思いが自民党憲法改正草案だ。それが通りっこないと言うのは敗北主義だ」と。
これは改憲論者の立場からすれば正論だ。
しかし、安倍首相の改憲宣言を真っ向から否定する批判である。
さすがにパーティではそう明言しなかったらしいが、その後の記者会見で語っても報じられては公言したも同然だ。
安倍首相が激怒しないはずがない。
さては今度こそ安倍首相おろしを決意したのか。
石破茂の何度目の正直になるのか。
もちろん、何度目の正直という言葉は私の勝手な造語である。
安倍首相の後釜を狙う石破茂は何度も安倍首相を批判する発言を繰り返してきた。
その直近のものが昭恵夫人批判の発言だ。
しかし、発言した後で腰砕けになるのが石破茂の常だった。
その都度安倍首相の怒りを買って、いまでは万年反主流派のごとくだ。
今度ぼ安倍批判で何度目になるのか。
そして今度こそ本気であり、安倍9条3項改憲を阻止して、石破自民党総裁、総理を成就するのか。
私の造語の意味するところはその逆だ。
何度たっても成就しないという意味である。
小池東京都知事や小泉進次郎がともに立ち上がるのなら話は別だ。
しかし、小池都知事は共謀罪にしても憲法9条にしても、国政に関することは何も語らず、小泉進次郎に至っては、すかさず安倍首相の9条3項追加を、「自衛隊明記は当然だ」と、横須賀市内の記者会見で擁護している(5月2日読売)
私は安倍首相による9条改憲には誰よりも強く反対する一人だが、もし本当に9条を改憲する気なら、安倍首相の戦略が敵ながら見事だと思っている。
敗北主義であろうと、矛盾していようと、戦後70年もの間、一度も手を付けられなかった憲法9条を変えてしまえば勝ちだ。
タブーが取り除かれ、その後、何度でも変えられる。
それに、9条3項に自衛隊を明記する事は、公明党が加憲論で唱え、民進党の多くが賛成している。
国民の間にも違和感はない。
正面から反対するのは共産党だけだ。
何よりも、石破茂のいう憲法9条改憲は、9条3項追加だけの改正よりはるかにたちが悪い。
石破茂の何度目の正直は、安倍一強をさらに強くさせるだけの、いつまでたっても本当にならない正直である(了)
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