国内ではやりたい放題のように見える安倍首相だが、いま国際情勢は安倍包囲網で急展開しはじめたようだ。
この危機感を感じているからこそ、安倍首相は焦っているのだ。
時を同じくして行われたフランスと韓国の大統領選はマクロンと文在寅の勝利に終わった。
予想通りであったとしても、いざこうして結果が判明してみると、この結果がいかに安倍外交にとって不都合なもであるかがわかる。
各紙の報道がそれを物語っている。
まず最大の誤算は、間もなくイタリアで始まるサミットだ。
メルケルに次いで最長の任期を誇る安倍首相は、主役を演じるつもりだったに違いない。
それが吹き飛んだ。
サミットの主役はマクロンになる。
メルケルはもとより、メイもトランプでさえも、マクロンを持ち上げるだろう。
安倍の出る幕はない。
文在寅の韓国に至っては、安倍首相にとって何もかも難題ばかりになる。
その理由は書くまでもないだろう。
しかし安倍首相にとっての本当の逆風はトランプの豹変だ。
腰砕け振りだ。
中国をほめそやし、北朝鮮との対話を探り、ロシアとの友好関係を封印しつつある。
なぜトランプはここにきて現実的になったのか。
一つは移民禁止大統領令を米国最高裁が違憲と断じたことだ。
この決着には一年ぐらいかかると言われているが、最終的に違憲大統領の烙印をおされることは間違いない。
それよりももっと深刻なのがロシアンゲート事件だ。
ワシントン発共同が報じた。
オバマの忠告を聞かずにフリンを大統領補佐官に起用したまではよかったが、そのフリンが政権前にロシアと通じ(金をもらって買収され)、それを理由にロシアから脅されていたことが明らかになったと米国メディアが報じたというのだ。
トランプがフリンをクビにした理由は、ペンス副大統領に嘘報告をしたということになっていたが、それどころではない深刻な事情があったのだ。
そう思っていたら、たったいまNHKの朝のニュースが流した。
トランプがコミ―FBI長官を解任したと。
ついにトランプまでもが、プーチンに脅かされていたというのだろうか。
それを偽真実だと言い続けるだけでは物足りず、いっそのこと追及の手を封じてしまえと言う訳だ。
もはやトランプは外交どころではない。
それがトランプ外交を豹変させた理由だ。
そしてその反動で、トランプの唯一の人気取り政策である経済では、ますます日本たたきが激しくなるだろう。
そんなトランプに追従するしかない安倍首相は、もはや、どのようなごまかしも利かないほど外交に行き詰まるだろう。
国内政治を舐め切る事は安倍首相にとっては簡単でも、国際政治に背かれてはひとたまりもない。
急展開しつつある国際情勢の安倍包囲網
それが安倍首相の地球儀俯瞰外交の行き着く先であるとしたら、これ以上の失策はない(了)
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