まず、次の文章を黙ってお読みいただきたい。
「『米国経済にとって強いドルと弱いドルのどちらがよいのかね?』
トランプ米大統領がある日の午前3時、当時の安全保障担当補佐官のフリン氏に電話をかけて尋ねた。フリン氏は経済が専門ではないのでエコノミストに聞くべきだと答えたという・・・」
これは、きょう4月1日の日経新聞のコラム「大機小機」の書き始めのくだりである。
ジョークかと思ったら本当の話だという。
ハーバード大学のマンキューという教授が、米ニュースサイトのハフィントンポストの記事としてニューヨーク・タイムズ国際版に書いているというのだ。
この、冗談のような会話をしていたトランプとフリンのコンビを絶賛していたのが安倍首相と菅官房長官のコンビだ。
フリンは早々と失脚したけれど、トランプはまだ米国大統領をやっている。
そのトランプを真っ先に評価し、トランプを信頼できる大統領と世界に褒めたたえ、世界に先駆けて行った首脳会談が100満点だったと自画自賛しているのが安倍首相である。
日米関係が危なっかしいのも無理はない。
ちなみにトランプがフリンに聞き、フリンが答えられなかった冒頭の質問の正解は何か。
「ドルの価格は他の財と同様に競争市場の需給関係で決まる。良いも悪いもない」
これが、「大機小機」のコラムを書いた「一直」というペンネームの記者の答えである。
そしてマンキュー教授も同意見であると一直氏は紹介している。
マンキュー教授とは、ブッシュ(子)政権時代の経済諮問委員会の委員長をつとめた人物であり、おそらく世界の経済学徒に一番読まれている経済学教科書の著者であり、と一直氏は紹介している(了)
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