新党憲法9条

憲法9条それは希望

護憲論争ではなく安保論争で敵基地攻撃政策を阻止せよ

 自民党の政調審議会はきのう8月4日、自民党のミサイル防衛検討チーム(座長・小野寺五典元防衛相)がまとめた敵基地攻撃能力の保有を可能にする提言を了承し、政府に提出した。

 安倍首相は、「防衛に空白が生じてはならないという考え方のもと、具体的な提言をお示しいただいた」と述べて、これを受け取った。

 この、滑稽で、芝居じみたセレモニーによって、我が国の将来を左右する歴史的な防衛計画の変更が、9月中にも出来上がるのである。

 もちろん、この防衛計画は国会で承認されなければ日本の政策とはならない。

 しかし、今の野党では、この新しい防衛計画を国会で止めることは出来ない。

 だから新しい防衛計画はこのままいけば日本の政策となる。

 それだけは阻止しなければいけない。

 どうすればいいか。

 弱い野党にそれが出来るのか。

 出来る。

 やれ、憲法違反だ、専守防衛の逸脱だ、といった言葉の議論を止めて、今度こそ安倍首相が逃げられないように本格的な防衛論争に持ち込めばいいのだ。

 護憲論争に終始する限り、安倍政権の暴走を止められない。

 あの安保法の論争の時もそうだった。

 安倍首相は決して憲法に違反するとは言わない。

 それどころか、憲法9条を守るといい、専守防衛の逸脱は考えていないと言い続ける。

 それはもちろんウソだが、ウソを平気で繰り返すのが安倍首相だ。

 ウソだと攻めても、そうでないと安倍首相が言い張ればそこで議論は止まってしまう。

 今度こそ、この愚を野党は繰り返してはいけないのだ。

 今度こそ、野党は日本を守るための防衛政策として、ミサイル抑止力の強化が正しいのか、むしろ危険になるのではないかと詰め寄らなければいけない。

 中国や北朝鮮の脅威に対応するものなら危険すぎると詰め寄り、もし安倍首相がそうではないと言い張るなら、使われないミサイル防衛システムは膨大な予算の無駄遣いだ、今の日本にそのような余裕はないと詰め寄るだけでいいのだ。

 実際のところ、提言に至るまでの自民党内部の議論を見ていると、自民党の中でも意見がまとまっていない。

 自衛隊の内部でも意見が分かれ、自衛隊幹部OBの中には、絶対に敵基地攻撃をしてはならないと言い出す者が続出している。

 日本の防衛政策論争に持ち込めば、新しい防衛政策など、米国に命じられて急ぐだけのものであることが国民のまで白日の下にさらされるのだ。

 繰り返して助言する。

 野党は護憲論争を挑んではいけない。

 日本の防衛政策として、それでいいのか、自民党や安倍首相は、本当にそれでいいと思っているのか、そのことだけを繰り返し迫って、安倍首相と自民党を窮地に追い込むだけでいいのである。

 最後まで反対して、敵基地攻撃政策の国会承認を強行しようとすれば、国民の信を問わなければいけないように安倍首相を追い込めばいいのである。

 ピンチをチャンスに転じる気迫がいまこそ野党に求められる時である(了)

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