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「米国は日本の唯一の同盟国」と米国記者に答えた安倍首相

 きょう6月29日の産経新聞で、大阪大学の坂元一哉という国際政治学者が、日米安保改定60年を祝福して、「成熟する日米同盟」と題して日米関係を絶賛しているのを見つけた(世界のかたち、日本のかたち)。

 この坂元という学者が書くことはいつも日米関係を絶賛するものばかりだから、読むまでもなく、ここでわざわざ私が論評するまでもない。

 私がここで書きたい事は、その冒頭で安倍首相の言葉が引用されていたことだ。

 すなわち、安倍首相は5月末の記者会見で、米中対立が激しくなる中で、日本は米中のどっちにつくのかと米国の記者に問われたという。

 その時、安倍首相はこう答えたというのだ。

 「・・・米国は日本にとって唯一の同盟国でありますから・・・米国と協力しながら、さまざまな国際的な課題に取り組んでいきたい・・・」(5月25日)

 これには驚いた。

 ここまではっきりと安倍首相は米国につくと明言していたのだ。

 よくも、こんな安倍首相の発言が国会で追及されなかったものだ。

 よくもメディアはこんな安倍首相の記者会見の言葉を大きく取り上げなかったものだ。

 皮肉なことに、一番驚いたのは坂元氏に違いない。

 この安倍首相の答えについてこう書いている。

 「こうした端的な答えが、特に気負いもなく、即座に首相の口から出てくる。我々はそこに、安保条約の改定から今年で60年になる日米同盟の成熟をみることができる」と。

 まさかここまで言うとは思わなかった。

 よくぞ言ってくれた。

 そう思って坂元氏はうれしさのあまり、自らの論説の中で、一カ月前の安倍首相の発言をわざわざ紹介したのだ。

 安倍首相の敵基地攻撃の容認発言といい、この、米国は唯一の同盟国発言といい、もしこれら発言が、国会で取り上げられることなく、そしてメディアも何の関心も示さないまま忘れ去られていくようでは、いよいよ日本は米国と共に中国と戦う国になる。

 どうやら令和2年は、日本の外交・安保関係が一気に憲法9条違反に傾いていく年になるかもしれない(了)

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