私は、NHK,朝日新聞、共同通信の記者たちから、ここ一週間、ほぼ時を同じくして立て続けに事実確認を認める取材を受けてきました。
パナマ文書分析結果の第二回目の報道を近く行うが、そのパナマ文書の中に天木さんの会社と思われる記述が見つかったので事実関係の確認をしたいという事でした。
私はそれぞれの記者と個別面談に応じた上で、要旨次のように同じ回答をしました。
1. (みせてもらった)パナマ文書に掲載されているAMAKI AND PAN HOLDINGS COMPANY LIMITEDという会社は、私の関わった会社である事に違いない。
2. その会社はかつて私が外務省を退職して間もないころ、紹介されたパン氏(中国名:潘向群)と共同出資(当時の日本円にして約2800万円の資本金を二人で折半して分担)して中国に設立した会社が、将来の上場に備えてバージンアイランドにつくった投資会社であると承知している(記者には共同出資して中国に会社を作るに至った経緯を詳細に説明しましたが、ここでは本論とはあまり関係がないので割愛させていただきます)。
3. 共同出資して中国につくった会社は、日本の携帯電話で人気のあるゲームや動画のコンテンツを中国の携帯電話で配信することを目的にした会社で、これから急速に発展する中国での携帯電話市場をにらんで有望だと期待してつくったものである。
バージンアイランドがタックスヘイブンの一つである事は一般知識としては知っていたが、税を逃れるというような意識は当時の私にはまったくなく、私が共同出資して設立された携帯配信会社は中国の会社であり、事実上の経営権はすべてパン氏に一任していたので、パン氏の判断を尊重してバージンアイランドに投資会社をつくることを了承した。携帯会社が成功して上場するようになればその会社は意味を持つが、当時の状況ではまったくそのような見通しにはなく、文字通りペーパーカンパニーで終わる会社だった。
幸運にして成功し、利益が出たとしても、私の得る利益は日本の税法に従って申告すればいいだけの話で問題にはならないと思うが、当時の私にはその考えすらなかった。
4.実際のところ、会社は、収入の見通しがつかないまま、人件費などの運営経費がかさんで、一年もたたないうちに行き詰まった。本来ならその時点で事業を清算し、残った資本金を回収すべきであったが、もうしばらく継続したい、必ず成功させる、と言うパン氏の言葉を信用した。しかしその後は、パン氏からの連絡が遠のき、ついにある時点から連絡が取れなくなり、あきらめざるを得なかった。
5. 私は今でもパン氏に騙されたとは思っていない。一生懸命頑張ったのだろう。しかし、結局うまくいかなかったのだと善意に解釈している。しかし、記者から手渡されたパナマ文書によれば、設立して1年10カ月ほどで破産、登録抹消されているところを見ると、消息が途絶えて間もなく会社が無くなったということだ。その事を一切連絡してこなかったパン氏はやはり不誠実だったと今になって思わざるを得ない。
6.以上のごとく、私の名前を冠した会社がパナマ文書に見つかったからといって、私が不正行為を行ったという事にはまったく当たらず、実際のところ私にはその意図も認識もなかったが、図らずも10年たって、いま渦中のパナマ文書に名前が出てきた事は残念至極である。しかし事実は事実として受けとめるしかない。
―― 以上が、私がNHK、朝日新聞、共同通信の記者たちに説明したすべてです。
私の語った内容がどのような形で報道されるかわかりませんが、記者の中には、常日ごろ権力を批判し、パナマ文書が発覚した時も、ブログなどでタックスヘイブンを利用した人物を手厳しく批判していた私が、同じような事をやっていたとしたら、道義的責任は免れない、というような口ぶりをしていた記者もいたので、誤解を生じるような書き方で報じられることも十分予想されます。
もっと他に追及すべき者がいるだろうと言いたいのは山々ですが、私からそれは口が裂けても言えません。
10年前のことが、こんな形で新聞沙汰になるとは夢にも思っていませんでしたし、報道されてしまえばどのような説明も弁解と受け取られるでしょうから、私の受けるダメージは避けられないと思います。
欲に絡んで事業に手を出し失敗したという私の個人的恥は私が甘受すればいいとしても、今度の報道によって、これから私が本気で目指そうとしている新党憲法9条の帰趨に悪影響が及ぶような事になれば、これまで寄付をいただいた皆様には申しわけない限りです。
しかし、すでに説明させていただいた通り、私の行為になんらやましいところはありません。そして私の新党憲法9条にかける思いはこのような報道がなされたからといっていささかも揺るぎません。
私はこの報道を奇貨として、私が新党憲法9条を実現しようとしている事を世に知らしめ、何としてでも新党憲法9条を実現して見せるという決意をあらたにしました。
今度の取材の結果は近日中に報道されるという事ですが、その時にあわてて説明しなくてもいいように、あらかじめ皆様に本件の経緯と事実関係をお伝えさせていただきました。
皆様のご理解と更なるご支援をお願いする次第です(了)
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