私は6月20日のメルマガ第342号で陸上イージスの白紙撤回は専守防衛を放棄するための布石だったと書いた。
どうやら、その推測は外れていたようだ。
そんな立派なものではなかったのだ。
きょう6月22日の毎日新聞で、特別編集委員の山田孝男氏が教えてくれている。
あれは元行革担当相で核燃料サイクル廃止論者でもある河野太郎防衛相が奮起したのだと。
やはり、河野防衛相が発表した、住民の安全とコロナ対策予算を優先するという言葉を額面通り受け取って良かったのだ。
私が山田氏の記事の中で驚いたのはこう書いていたところだ。
さぞかし河野防衛相は激論の末に安倍首相を説得しに違いないと思いきや、「対立も、議論も、説得もなかった」と官邸の高官が苦笑したというのだ。
秋田とならんでもう一つの配備策は安倍首相の地元の山口だから安倍首相も住民の安全には敏感だというわけだ。
しかも先月(5月)の日米協議でブースターの落下制御になお10年以上の歳月と数千億円の追加予算が必要だと聞かされたばかりだと言う。
更に、元防衛官僚らはこう説明しているという
陸上イージスは、本来、砂漠や海辺に配備するので、落下物の制御まで考えられていなかったと。
技術の変化は速く、そもそも量子コンピューターへ移行しようという時代に、従来型コンピューターの、それも重厚長大、単一目的の兵器システム自体が疑問という世界になってしまったのだと。
何のことは無い。
陸上イージスを米国から押し付けられたこと自体がバカを見たというわけだ。
しかし、けさのNHKが繰り返し流していた。
白紙撤回によって開かれることになった国家安全保障会議では攻撃型防衛計画に向けて議論されることになると。
転んでもただでは起きない安倍政権だ。
官僚たちだ。
防衛大綱を敵地攻撃のミサイル防衛に変えていくという結論だけは変わらないのだ。
用意周到に準備された布石なら、まだ悪知恵だと批判もできる。
まともな議論なしに防衛計画を変えるだけたちが悪い(了)
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