きょう5月25日の産経新聞の社説に私は注目した。
「中東に紛争の種をまくな」という見出しのその社説は、イスラエルの新政権が強行しようとしている「入植政策」、つまりパレスチナに対する国際法違反の占領政策を正面から批判する内容だ。
すなわち、占領地への自国領土への編入は国際法違反であり、入植停止を求めて来た国連安保理決議違反だと明言した上で、次のように主張している。
パレスチナ併合が具体化すれば、暴力をも伴う激しい混乱を引き起こしかねない。ネタニヤフ首相は国際社会の強い反対の声に耳を傾けるべきだと。
そして、返す刀でトランプ政権の中東政策を次のように糾弾している。
イスラエルの強硬姿勢の背後にあるのは、トランプ政権による肩入れである。トランプ政権は1月に発表した新中東政策で、入植地へのイスラエルの主権を容認した。(今度のイスラエルの)新政権発足に際しても、ポンぺオ国務長官が直前、ウィルス禍のさなか異例の訪問を実行したと。
極めつけは次の言葉だ。
中国、イランをにらみ、イスラエルとの同盟を重視する米国の立場は理解できる。だが、パレスチナ問題は別だ。米国が長年、和平仲介者であった事実も重い・・・中東情勢が極めて不安定ないま、最も重要なのは、紛争の種をまかないことだ。トランプ政権は影響力を行使して、新政権の軽挙をたしなめるべきだ。日本は両者に対し、慎重な対応を求めていかねばならない。
100%賛同する。
まるで私が17年前にブッシュのイラク攻撃に反対した時の小泉元首相に対する意見具申と同じだ。
コロナ禍ですべての外交がストップし、米中対立ばかりが騒がれている中で、イスラエルの入植批判を社説で取り上げ、正面から糾弾した産経新聞を私は高く評価したい。
問題は本気でそれを実現しようとして書いているかだ。
産経新聞は、いまの安倍首相が、トランプ大統領やネタニヤフ首相に慎重な対応を求めることができると本気で思っているのだろうか。
黒川マージャン賭博隠しではないのか。
そう疑わざるを得ないところが産経新聞の情けないところだ。
黒川マージャン賭博事件で一番打撃を受けたのは、それを週刊文春にリークした裏切り者を内部から出した産経新聞だ。
それとも、わざと自らの記者を使ってリークさせ、安倍政権の片棒を担いだ八百長芝居だったとでもいうのか。
どっちにころんでも、黒川マージャン賭博問題は産経新聞の存否に関わる大問題になった。
はたして本当の事が明らかになるのだろうか(了)
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