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黒川マージャン賭博だけでは政局に発展しない理由

 政権が倒れる時はメディアが政権打倒に動くときだ。

 だからメディアが黒川マージャン賭博で安倍政権を倒そうとすれば、メディアがそう動けばいいのだ。

 メディアが動いても政権が倒れるとは限らないが、メディアが動かなければ、まず、政権は倒れない。

 そして、今度の黒川マージャン賭博問題で、メディアはこれ以上動かないだろう。

 なぜメディアは動かないのか、いや動けないのか。

 それは皆とは言わないが、ほとんどすべてのメディア関係者が同様の事をやって来たからだ。

 それを実名で白状している元記者もいるから驚きだ。

 しかし、認めてしまえばお終いだ。

 いくら昔の事だと言っても、賭けマージャンをしてもいいとはならない。

 だからといって、どこかの宗教者の言葉ではないが、自分に石を投げつけられる者がいるのか、だ。

 情報を取るために、如何にメディアが情報源である権力者との距離に苦労して来たか。

 それは、人生の悲哀そのものであり、だからこそ、そこにドラマが生まれるのだ。

 本当の人間関係が出来上がるのだ。

 世論にもてはやされる東京新聞の望月記者が、なぜ同業者や玄人筋に支持されないのか。

 それは、彼らの苦労をぶち壊すものだからだ。

 自分一人が権力者の不正を暴く記者のようにふるまっても、あんな取材方法を続ける限り、取れる情報も取れなくなる。

 それが人情だ。

 そして権力者とメディアもまた人間同士のつき合いなのだ。

 私は人間関係に冷たい官僚だったが、その私ですら、人情にほだされて極秘情報を記者にリークしたことがあった。

 それともうひとつ。

 賭けマージャンは許されないという建前と本音の乖離だ。

 コロナ危機でも休業しなかったパチンコは、なぜそれほど止められないのか。

 現金を賭けているからだ。

 景品だから賭けではないというのはウソだ。

 パチンコ屋を離れたところで景品を現金に交換する場所がある。

 警察はそれを黙認しているどころか、天下りまでしている。

 この建前と本音の乖離を皆知っているからパチンコに甘いのだ。

 もし黒川マージャン賭博問題で進退窮まったら、私が安倍首相ならこう対応するだろう。

 世論や野党の怒りはもっともだ。

 検察が違法な事をしていたとすれば万死に値する。

 それに加担したメディアはメディア失格だ。

 私は厳しく対処する。

 この際徹底的に調査して、賭けマージャンに関与している事がわかった政治家はもとより、官僚もメディア関係者もすべて黒川氏同様に厳罰を受けてもらう。
 
 政治に関わる資格はない。

 もし安倍首相が賭けマージャンをしていたら、決してこうは言えない。

 しかし安倍首相はマージャンなどやりそうもいない男だ。

 その前提で書いているのだが、私が首相なら進退窮まったらこう言うだろう。

 これは建前だが、建前を押し通せば、誰も本音を主張できなくなる。

 しかし、建前だけでは世の中は動かない。

 マージャン賭博をしていた者をすべて排除すれば、世の中はつまらない者、無能な者ばかりが生き残る事になる。

 マージャン疑惑だけでは政局にならない理由がここにある(了)

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