大阪の吉村洋文知事が5月5日の大阪の対策本部会議の冒頭で、こう語って安倍政権に挑戦状をぶつけた。
「どうなったら休業要請などが解除されるのか、府民と共有できる出口戦略を明確に示す必要がある。国で示されないことになったので、大阪モデルを決定したい」
これは、その前日の5月4日に安倍政権が緊急事態宣言の5月末までの延長を決定する一方、具体的な出口基準を示さなかったことへの不満である。
そして、その不満は、長引く自粛要請に苦しめられてきた国民の行き場のない憤懣を代弁したものだった。
見事な吉村知事の一本勝ちに見えた。
ところがである。
コロナ対策を安倍首相から一手に任されて奮闘中の西村康稔経済再生担当大臣が、すかさず切り返した。
「何か勘違いをしているんではないか。強い違和感を感じています」と。
これは、大阪都構想を掲げて、常日頃、中央政府には頼らない、自治体にもっと権限を与えよと主張して来た吉村知事の矛盾を見事についた反撃だ。
しかし、吉村知事は、ここで引き下がってはいけない。
この、西村・吉村対決は、コロナ後の日本の行方を決める天下分け目の戦いになるからだ。
安倍中央政権が国民を救えない事は過去7年余りの失政で明らかだ。
そして今度のコロナ危機でそれが決定的になった。
それにも関わらず安倍政権に代るものが見当たらない。
もはや東京を中心に繰り広げられてきた政権争奪ではどうにもならないのだ。
そうであれば、国民を救うのは住民に最も近い立場にある自治体の首長の決起しかない。
今度のコロナ危機で、これまでメディアに登場しない首長まで前面に出て、どの首長が一番よく住民を守ってくれるかの品評会のようになった。
まさしく危機の時の首長の力量が問われているのだ。
コロナ汚染から住民を救う事が出来た首長こそ日本の総理にふさわしい首長なのだ。
吉村知事は安倍政権のもっとも痛いところをついた。
だからこそ西村大臣がすかさず批判し、そして安倍支持派から猛烈なバッシングを浴びている。
こうなれば喧嘩上手の橋下徹が出る。
吉村知事は親分の橋下徹と組んで、安倍政権と全面戦争を仕掛けるべきだ。
いいでしょう、それならコロナ対策でやりたい放題させてもらいますから、大阪を暫定的に特区にして下さい。これまで以上に自治権を認めてください。国と地方でどちらがはやく国民をコロナ危機から救うことができるか、それを国民の前で見せて国民に判断を委ねましょうと。
思えば明治維新は、日本の近代化でもなければ、ましてや民主化などとは程遠い、長州藩を中心とした下級武士たちのクーデターに過ぎなかった。
尊王攘夷を錦の御旗にし、その裏で欧米と組んで倒幕に豹変し、欧米の軍事力に頼って日本を簒奪した武力クーデターだった。
そして、その末裔がこの国の国是を対米従属にして、その孫が日本を簒奪して来た7年余だった。
そんな日本を元に戻し、本当の意味で日本に民主革命を起こす、そのきっかけを最後に与えてくれたのがコロナ危機ではないのか。
首長の中には、橋下・吉村以上に住民の為の政治を実現してくれそうな知事もいるはずだ。
どんどんと吉村知事に続く首長が出てきてもらいたい。
コロナ危機という未曽有の危機を、住民ファーストで克服できた者が日本の首相になって日本をつくり変えればいいのだ。
西村・吉村対決が日本の夜明けになるように、首長の決起を期待したい(了)
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