きのうのテレビ報道で、WHOのテドロス事務局長がビデオ会議でコロナウィルスのワクチンや治療薬の開発を呼びかけたことを知った。
ところが、それに参加する主要国の中に日本の名前がなかった。
私の聞き逃しだろうか。
そう思ってきょうの各紙で確かめようとした。
そうしたら、読売新聞がジュネーブ発杉野謙太郎記者の一段の小さな記事で書いていた。
テドロスWHO事務局長は24日、マクロン仏大統領やメルケル独首相、グテレス国連事務局長らとテレビ会議を開き、コロナウィルスのワクチンや治療薬の開発と各国への分配について協力することで一致したと。
テレビ会議はWHOと仏政府などが呼びかけ、英国、ノルウェーやG20の議長国であるサウジアラビアなど11カ国と医療関係の民間団体が参加したと。
やはり日本の名前はなかった。
米国と中国の名前がなかったことはうなずける。
米国と中国は、いまコロナ感染を巡って覇権争いの真っただ中にある。
トランプ大統領は、WHOは中国の手先だとあからさまに罵って拠出金を拒否した。
米国が拒否しているのに、中国だけを参加させれば、WHOはますます米中対立の渦中に引き込まれる。
テドロス事務局長と独仏首脳が、とりあえず自分たちだけで始めようとしたのも頷ける。
不思議なのは日本の名前が無いことだ。
本来なら安倍首相が率先して呼びかけてもおかしくない。
ただでさえ目立ちたがり屋だ。
急にテレビ会議に熱心になっている。
おまけに東京五輪を1年後に控えている。
ワクチン、治療薬の開発が一番必要なはずだ。
このままコロナ対策が見いだせないなら、1年後も東京五輪の開催は危うい。
そうなれば、早ければ今年中にも、花道どころか、コロナに負けて、袋叩きの中での失意の辞任になる。
なぜ安倍首相は、率先して提唱、参加しようとしなかったのか。
トランプ大統領の機嫌を損ねたくなかったのだろうか。
そうであればサウジアラビア以下だ。
中国はいずれ参加して来るだろう。
そうなれば、日中協力が進んで日米同盟にひびが入る事を恐れたのか。
それとも、日本もそのうち参加表明をするのだろうか。
国内のコロナ対策で頭が一杯の官邸官僚たちが、そこまで頭が回らなかったのか。
それともマクロン、メルケルが安倍首相を見限ったのか。
わからないことばかりだ。
果たしてメディアは調査報道をして、その裏事情を教えてくれるだろうか(了)
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