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コロナ感染で初公判がずれ込んだケリーの不運

 どうでもいい事だが、私が注目した一段の小さな記事があった。

 それは、ゴーンと共に金融商品取引法違反罪で起訴された日産元代表取締役のグレッグ・ケリー被告(63歳)の初公判が、当初予定の5月下旬よりさらにずれ込む事がわかったという記事だ。

 もちろん新型コロナウィルス感染拡大のためだ。

 つくづく、ついてないなあと、同情の一つでもしたくなる。

 カルロス・ゴーンに逃げられて、ただでさえ取り残されたけケリー氏だ。

 同罪であるとしても、悪辣ぶりはゴーンに比べてはるかに軽微のはずだ。

 しかし、ゴーンに逃げられたあおりを食って、日本の検察は面子にかけても厳しく当たるだろう。

 ゴーンのように逃げる場所はない。

 いくら日産と検察が仕組んだ国策逮捕だったとしても、ゴーンのように振る舞えないし、本国政府の米国も動こうとはしない。

 せめて裁判を早めて早期決着させたいと思っていたに違いないのに、初公判が、降って湧いたコロナ危機で延期だ。

 日本の司法の事だから、この調子では決着はいついなるか分からない。

 おりから元看護助手西山美香さん(40)の冤罪事件が、4月2日、約十五年九カ月ぶりに、西山さんの無罪が確定で決着した。

 自白偏重主義の日本の司法の非民主性と裁判の長期化があらためて明るみになった。

 このコロナ感染による初公判延期でを知って、ゴーンはあらためて自分の賭けが正しかったと思っている事だろう。

 このままでは自分は死ぬまで日本の司法から逃れられない。

 そういって逃亡したゴーンだったが、もしゴーンがあの時逃亡していなかったら、それが現実になっただろう。

 ケリーは米国政府に泣きついて早期決着を頼むしかない(了)

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