国家的危機は現政権に有利に働くと相場は決まっている。
それにしても安倍首相はコロナ危機というピンチを最大限に利用しているのが見え見えだ。
そのひとつが治療薬アビガンに対する猛烈な攻勢だ。
トランプ大統領に売り込んだと思ったら、今度は「希望国に無償で提供する」だ。
きのう4月3日、菅官房長官が記者会見で語ったらしい。
現時点で約30カ国から外交ルートを通じて提供要請があることを明らかにした上で、希望する国に無償で供与し、臨床研究を拡大すると述べたというのだ。
他国の責任で、他国民の体を使って臨床試験プロセスを加速させる。
あくまでも希望する国の要請に応えるだけだから文句はないだろうというわけだ。
そして効果が確認されれば、日本発治療薬として世界に売り込める。
一石二鳥だ。
奇しくもきょう4月4日の日経が報じた。
中国の科学誌に掲載されていた、アビガンと同成分の薬を患者に投与して有効性を確かめたとする中国の南方化学大学などのチームの論文が、3日までに、急きょ取り下げられたことがわかったと。
その理由は日経新聞には書かれていない。
しかし、安倍首相の動きを知った中国が、密かに臨床実験を加速させ、日米を出し抜こうとしていることは容易に推測できる。
安倍首相はアビガンで勝負に出たのだ。
コロナウィルスを克服するのは日米同盟だと。
米中の世界覇権争いで米国側につく。
みずからの延命をトランプに賭けたということである(了)
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