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あっさり「賭け」を認めた安倍首相は大した度胸だ

 

 驚いた。

 きのう3月27日の国会で、安倍首相が、1年延長は政治決断だった、自分一人で決めた、そうあっさり認めたのだ。

 きょう3月28日の読売が教えてくれた。

 すなわち、きのう3月27日の参院予算委員会で立憲民主党の石橋通宏議員が1年程度の延期を提案した理由について質問したらしい。

 そうしたら、安倍首相は次のように答えたというのだ。

 「専門家の助言はいただいていない。政治的判断をしなければいけないと考えた」と。

 「世界における(コロナウィルスの)感染の広がりを勘案すると、(延長幅が)数カ月程度では(五輪開催は)困難だ」と考えたというのだ。

 そして安倍首相は、政府内では2年延期を推す声もあったが、きのうの国会で、次のように答えたというのだ。

 「長期の延長となれば2020年東京大会へのモメンタムが失なわれ、別の大会のようになる懸念があった」と。

 まさしく中止だけは避けたいと考えたことを認めたのだ。

 専門家の助言を聞いていないというところがミソだ。

 開催時期にコロナ危機が収まっているかどうかなどは、全く念頭になく、1年延長ありきだったのだ。

 まさしく「賭け」だったことを認めたのだ。

 ここまであっさりと、独断で、政治的理由から賭けに出た事を、国会答弁であっさり認めるとは大した度胸だ。

 さすがの私も恐れ入るしかない。

 しかもである。

 大した度胸であるというもう一つの理由は、賭けに勝てる保証はまったくないというところである。

 きょうの報道が教えてくれている。

 IOCは、三週間後に開催時期を最終決定するという。

 そこではじめて、延期後の新日程が決まるのだ。

 しかし、これから3週間の間に、コロナ危機に関する明るい見通しが立つはずがない。

 世界的感染が3週間後に収まるはずはなく、いくら無理して人体実験を重ねて治療薬やワクチンを見つけようとしても、いくら何でも3週間では無理だろう。

 つまり3週間後は、今と何も変わらない状況下で、いや、下手をすればもっと深刻な状況下で、開催時期の最終決定をしなくてはいけないのだ。

 場合によっては、バッハ会長と安倍首相の「合意」など吹っ飛ばして、2年延長となるかもしれない。

 その場合は、安倍首相がきのうの国会で認めているように、事実上の東京五輪の「中止」だ。

 そして、3週間後のIOCの最終決定が、1年未満、つまり来年の春にしても、5月の連休時にしても、あるいは夏前のいずれになっても、その時までのコロナ危機が収束しているという大前提がつく。

 もし、その時までに収束しなければ、その時こそ再延長せざるを得ず、その場合は再延長ではなく別の五輪になる。

 つまり、東京五輪の中止なのだ。

 こう考えていけばバッハ会長と安倍首相の電話協議による合意はほとんど意味がない。

 予定通り行う事をあきらめたというだけだ。

 すべては先送りだ。

 それをいうのをバッハ会長が逃げて、安倍首相が言わされたのだ。

 それにもかかわらず、あたかも自分の政治的判断で東京五輪開催を守ったと言わんばかりだ。

 このむなしい安倍首相のパフォーマンスに私は大した度胸だと驚いているのである(了)

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