きのう行われた安倍首相の年頭記者会見を聞いて、安倍首相は完全にやる気をなくしたと思った。
低姿勢で当たり障りのないことを言っていたが、まるで覇気が感じられない。
このままでは、オリンピックを自分の手で迎えられないのではないか。
安倍首相が最後の目標にしている佐藤栄作元首相の連続在位記録を抜く8月24日まで持たないのではないか。
そう思えるほど空疎な言葉の数々だった。
おそらく今の安倍首相には、その強気の言葉とは裏腹に、打つ手がないのだ。
しかし、起死回生の手がある。
それが、トランプ大統領の失策で突如として起きた米国とイランの開戦前夜とも言うべき一触即発の危機だ。
いまこそ安倍パフォーマンス外交の出番でだ。
いまこそ米・イラン仲介外交の時だ。
米国もイランも本心では全面対決を望んではいない。
しかし、米国もイランも自分の方から譲歩は言い出せない。
まさしく仲介が必要な時なのだ。
そして、トランプ大統領とはもとより、ハメネイ師といま話せる世界の首脳は、安倍首相のほかに誰もいない。
しかも安倍首相は新年早々、どうでもいいような中東訪問を予定していた。
なぜそれを急きょ変更し、そして、その日程を前倒しして、いますぐワシントンとテヘランに飛んで仲介のシャトル外交を行おうとしないのか。
そのためにいますぐトランプ大統領とハメネイ師に電話して、みずから約束を取り付けようとしないのか。
日本に仲介など出来るはずがない。
失敗することは目に見えている。
そんなパフォーマンス外交をいま行えば、ますます安倍政権は内外の笑い者になる。
もし安倍首相がそう思ってためらっているのなら大きな間違いだ。
パフォーマンス外交をするのはいましかないのだ。
そしていまそれが出来る世界の首脳は安倍首相をおいて他にはいない。
世界は安倍首相の仲介外交を、固唾を飲んで見守るだろう。
目に見える成果など無くてもいい。
戦争前夜の危機を回避するだけでいいのだ。
少なくとも安倍首相が仲介外交をしている間は、危機は避けられる。
そして、いま戦争の危機が避けられたら、当面の危機は避けられる。
世界は安倍首相の仲介が奏功したと受けとめる。
これこそが安倍パフォーマンス仲介外交の真骨頂ではないのか。
そして、ひょっとしたら、挙げたこぶしを振り下ろしたいトランプ大統領は、日本がイラン原油を輸入する事を許す見返りに、ハメネイ師の怒りを鎮めてくれと安倍首相に頼むかもしれない。
その時こそ、米国、イラン、日本がウィン・ウィン・ウィンとなる時だ。
そしてそれは世界が大歓迎することだ。
安倍首相は、これでやっと、なにひとつ成果を残せなかった最長政権と言う汚名を挽回できる。
それどころか中東危機を救った首相として歴史に名を残せる。
今からでも遅くない。
安倍首相はいますぐワシントンとテヘランに飛ぶべきだ。
安倍首相の決断ひとつで出来るのだ。
はたしてこの褒め殺しが安倍首相に届くだろうか(了)
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