日中韓首脳会談が今年の安倍外交の御用納めなら、安倍政局の御用納めは野党合流の年内見送りである。
立憲民主党と国民党の年内合流は案の定、見送られた。
政策も名前も一致しないのに合流できるはずがなかった。
しかし野党合流のもっと深刻なところは、誰も指摘しないが、社民党すら立憲民主党に合流できそうもない事だ。
社民党の地方組織が社民党の消滅に反対しているからだ。
これでは本物の野党共闘は無理だ。
それよりも何よりも、野党共闘の最大の問題は、野党共闘より前にポスト安倍が動き出すことだ。
間違いなく来年の政局はポスト安倍に走り出す。
しかも解散・総選挙はポスト安倍によって行われる可能性すら出て来る。
そうなると、打倒安倍が野党をつなぎとめ唯一の旗印だった野党合流は、はしごを外される事になる。
政権交代より、ポスト安倍と組んだ方が政権に近づけるという事になる。
わけの分からない政局になるのだ。
そのことをはっきり書いた記事を情報誌「ザ・ファクタ(FACTA)」の最新号(1月号)に見つけた。
明らかに政治の内情に詳しい覆面政治記者が書いたと思われるその記事は、発売中の月刊文芸春秋(12月号)で麻生副総理兼財務相がポスト安倍の評価について言いたい放題言っている背景をこう解説している。
(安倍首相の)ホンネは任期中の改憲も衆院解散も考えていないが、そうと確定してしまえば、その時点で政権の命運は尽きるので、麻生も二階も口では「4選」を勧めるかのような役割を分担して、「ポスト安倍」への軟着陸を図るという、(安倍政権の)「終末処理」の田舎芝居を演じている、と。
マスコミも(そんな)底意を見透かしているから、安倍発言も麻生発言もまともに取り合わず、冷ややかに受け流していると。
そういう事である。
書くことのない正月休みの政局記事は、ポスト安倍を占う記事で埋め尽くされるだろう(了)
Comment On Facebook