トルコが過激派組織イスラム国(IS)戦闘員の本国への強制送還を始めたことが国際政治の大問題として急浮上してきた。
この問題は、国際社会が早急に解決策を見つけなければいけない問題だ。
ひとつには、IS戦闘員の人権問題がある。
いくらIS戦闘員であるからといっても、人権は尊重されなければいけない。
そしてIS戦闘員の人権を守る事はテロ防止にも役立つ。
人権を奪われたままのIS戦闘員を放置したままなら、行きつく策は自爆テロの激化しかない。
IS戦闘員を受け入れたくないのは誰も同じだ。
特にテロの標的である欧米はそうだろう。
だからといってトルコやクルドやイラクやシリアに押しつけるのはテロを育成するようなものだ。
このままでは、IS戦闘員の押し付け合いになる。
この種の問題は国際会議を開いて解決策を見つけるしかない。
私はいまこそ中東に手が汚れていない日本が国際会議を呼びかける時だと思う。
中東問題には日本はかかわってはいけないと私は繰り返して強調して来た。
それは中東の争いに関わるべきではないという意味だ。
人道的な観点から解決策を模索する事は、感謝されこそすれ、敵対されることはない。
言い出したからといって責任を取る必要はない。
この種の会議は一回では終わらない。
だから開催国は順番に行えばいいのだ。
そうすることによって責任を分かち合える。
なによりも、会議を開くことによってISを生み出した米国の中東政策の誤りが浮き彫りになる。
さらにいえば、もっと前の英米独の中東政策の責任が浮き彫りになる。
親日国であるトルコからも感謝される。
繰り返していう。
このままではIS戦闘員の押しつけ合いになる。
口先だけの国際会議の提唱は、安倍外交のお得意芸のはずだ。
この場合は口先だけでいい。
国際会議を開くことが重要なのだ。
会議を重ねるごとに問題点が明らかになり、解決策も浮かんでくる。
いまこそ安倍首相はIS戦闘員の受け入れ問題の開催を呼び掛ける時である。
はたしてそう助言する官邸官僚は出て来るのだろうか(了)
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