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選挙後も続く醜い埼玉参院補選はこの国の政治の合わせ鏡だ

 私は今度の埼玉参院補選について、史上まれに見る醜い選挙だと書いた。

 知事選を見送って野党候補を応援した上田氏が、その見返りに今度は埼玉参院補選の野党統一候補になろうとしたからだ。

 それに自民党が相乗りして、対立候補が不在の選挙になったからだ。

 さらに言えば、上田候補は、野党統一候補になりながら、自分は改憲論者だと選挙前に公言し、それを歓迎した自民党が、ますます上田候補を応援したからだ。

 こんな選挙ほど不毛な選挙はない。

 だからこそ有権者の5人に1人しか投票しなかったのだ。

 ところが、醜い埼玉参院補選は選挙後も続く。

 完全無所属と言って選挙に臨んだ上田候補が、当選したとたん、いつまでも無所属ではありえないと言い出した。

 それを聞いた自民党の二階幹事長が、いつでも歓迎するとエールを送り、あわてた野党との綱引きが始まったというのだ。

 これほど醜い埼玉参院補選はない。

 そして、その醜さは、今の日本の政治の醜さの合わせ鏡だ。

 その醜さは、政治家たちの政権ほしさの裏返しだ。

 かつて55体制と言われた自民党と社会党の対決の時代は、こんなことはなかった。

 万年野党の社会党は、野党の武器を最大に発揮して、自民党の歯止め役を果たした。

 その社会党が自民党と連立を組み、野党を放棄した時から、日本の政治が壊れたのだ。

 そして社会党が流れ込んだ民主党が選挙で政権を取り、権力のうまみを知った。

 その民主党が自民党との権力の奪い合いに敗れた時から、政権交代と言う名の、政権欲しさのための、政策を棚に上げた選挙協力という野合が始まったのだ。

 いまでは、かつて唯一の野党を誇りとして権力批判に徹していた共産党までもが、政権政党の恩恵にあずからなければ損だと言わんばかりに、なりふり構わず連立政権に固執するようになり、社会党の二の舞を演じようとしている。

 選挙で敗れて下野した自民党が、二度と政権を野党に渡さないと、選挙に勝つことをすべてを優先するのは言わずもがなだ。

 権力のうまみに群がる政治家たちばかりになってしまった政治が、醜くなるのは無理もない。

 この醜さは、永久に繰り返されるだろう。

 その行き着く先は日本という国の分断であり、崩壊だ。

 その時こそ、与野党を超えた挙国一致の非常事態・救国政権が不可避になる。

 そんな事態が来る前に、政治家たちは保身を捨てて、国民のための政治を始めなければいけない。

 その時は今しかない(了)

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