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憲法9条それは希望

ロシアの手に落ちたシリアと中東のさらなる混迷

 トルコとクルドの戦いは、どうやら最悪の事態を脱したようだ。

 プーチン大統領とエルドアン大統領の6時間に及ぶ交渉の末、トルコ国境からクルド武装勢力を引き離し、安全地帯を設けることで合意したからだ。

 これを見たトランプ大統領は、自分の手柄のようにツィートしているらしいが違う。

 ペンス副大統領を派遣して、口先だけで無理やり5日間の停戦を押しつけたのとはわけが違う。

 シリアのアサド大統領を支配下に置くロシアが、クルドの武装勢力を軍事力で黙らせた上での停戦である。

 思えば、オバマ大統領がシリア市民の命がけのアサド独裁打倒の声を裏切って、アサドを生き残らせた時からシリアの混迷が始まった。

 その隙をついてプーチン大統領が独裁アサドの命の恩人になり、シリアに入り込んだ。

 そして、今度のトルコ・クルドの停戦を実現したことにより、プーチン大統領はアサドのシリアを完全に手に入れたのだ。

 問題はそれでクルド問題が片付くかだ。

 もちろん片付かない。

 新聞のどこを読んでもクルドの行き先は書かれていない。

 米国からロシアに中東支配の主導権が移っても移らなくても、国を持てないパレスチナとクルドは人権の無いままだ。

 弱者の犠牲の下に、覇権国家が中東を支配続ける構図はいささかも変わらない。

 中東情勢の混迷は終わらない。

 ロシアの介入でますます複雑になっていく。

 日本は中東に関わってはいけない(了)

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