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理解に苦しむホルムズ近海への海自艦船派遣

 昨日の午後、政府がホルムズ近海に海上自衛隊の艦船を派遣する事にしたというニュースが流れた。

 これを聞いた時、私は我が耳を疑った。

 安倍外交は理解の苦しむ事の連続だが、その中でもこの派遣は断トツに理解に苦しむものだ。

 なぜ、いま派遣なのか。

 さっぱりその理由がわからない。

 明日の各紙の朝刊を見て判断するしかない、そう思って真っ先に今朝の各紙を読み比べた。

 そして、さらにわからなくなった。

 米国の有志連合に参加するものではないという。

 だからといって、ロシアやイランが提案しているペルシャ湾安全確保の構想への参加でも、もちろん、違う。

 単独の派遣だという。

 それにもかかわらず、日本の船舶を守る活動はしないという。

 だったら何のためだ。

 調査・研究のためだという。

 情報収集だという。

 そして、米国、イランの双方に顔を立てるものだという。

 読めば読むほどわからない。

 よく、こんな馬鹿げた決定をしたものだ。

 そう思ったら、ただひとつはっきりした事がある。

 政府は、まだ派遣の決定をしたわけではないのだ。

 自衛隊派遣の検討を関係閣僚に指示しただけなのだ。

 当然のことながら派遣時期は未定だ。

 なるほど、すべてはこれからなのだ。

 だから、いま、大騒ぎする必要はないのだ。

 しかし、これはこれで大問題だ。

 いままで、何も正式に検討を始めていなかったということだ。

 やはり安倍首相の考える事は訳が分からない。

 最後に一つだけ分かったことがあった。

 なぜ「調査・研究」の派遣にしたのか。

 それは、調査・研究の派遣なら、国会承認の必要がなく、防衛省の裁量で何でもできるからだという。

 これで合点がいった。

 このまま何もしないわけにはいかない。

 やってる感を出すために、海自の艦船派遣の検討を指示する決定を国家安全保障会議で決定させ、それを大きく報道させたのだ。

 やってる感の安倍外交、ここに極まれりである。

 メディアには、この決定に至るまでの裏話を取材して、教えてもらいたいものだ。

 笑い話のような関係者の言動がどんどん出てくるに違ない(了)

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