きのうの産経新聞で、古森義久ワシントン駐在客員特派員が「危うい安倍首相の対中観」と題して要旨次のように書いていた。
ワシントンから安倍首相の対中国外交を見ると危うさを覚えると。
なぜなら、みずから日本の安全保障の基軸だと宣言する日米同盟の相手国米国の、しかも超党派の対中対決姿勢を示す米国と、まるで正反対の外交をやっているからだと。
あれほど緊密なトランプ政権の対中政策を否定するようなことをやっているからだと。
いうまでもなく、安倍首相が施政方針演説などで繰り返す、「日中関係は完全に正常な軌道に乗った」、「中国とあらゆるレベルで交流が拡大している」などという、最近の安倍首相の対中迎合姿勢を非難する言葉だ。
実は私もまったく同じ思いで安倍首相の対中政策を見ている。
そして、安倍首相がまた裂きになるのは、まさにこれからだ。
安倍首相は来年4月の習近平主席の国賓訪日を最重要の外交課題と位置づけている。
あらたな日中関係の基本方針として、第五の日中共同文書を発出しようとしている。
しかし、米中関係の先行きは不透明だ。
米中貿易協議が完全合意することなどあり得ず、たとえ貿易で合意しても、安全保障政策においては緊張が高まるばかりだ。
米国関係者の中には米中戦争もありうると考えている者すらいるくらいだ。
もし来年4月までに米中関係がさらに悪化すれば、習近平主席の訪日は難しくなる。
いや、訪日が難しいのではない。
訪日を決行すると米国との関係が難しくなるのだ。
実際のところ、米国の関係者は古森氏に次のように語っているという。
このままだと「安倍首相はトランプ大統領の友人ではなくなる」(米研究機関「ナショナル・インタレスト・センター」のフィトン上級研究員)と。
それでは、もし米中関係が改善し、米中が接近すればどうか。
その時は、もはや日本の重要性は米国にとっても、もちろん中国にとっても、限りなく小さくなる。
日本は米中双方にとって、利用価値のある単なる属国のひとつでしかなくなる。
どっちに転んでも安倍首相はまた裂きの運命にある。
米中二大軍事覇権国家と対等な自主、自立外交ができる日本は、唯一、憲法9条を世界に誇る日本になる時だけだ。
新党憲法9条が主導する世界一の平和国家の日本になる時である(了)
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