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野党は日米貿易協定の阻止を令和の安保闘争にする気概を示せ

 メディアは良く知っている。

 今度の国会で安倍首相が最優先するのが日米貿易協定の国会承認であることを。

 だからどの新聞もそのことを書いている。

 ならば野党は日米貿易協定の阻止を最優先すべきだ。

 日米貿易協定阻止の一点突破で、打倒安倍政権を目指すべきだ。

 そしてその大義と正当性は十分にある。

 なにしろこの協定は、TPPに加盟した日本にとって、締結する必要性のまったくない協定だ。

 それどころかTPPを損ない、TPP加盟国を裏切り、そして何よりもトランプをTPPからますます遠ざけるものになるからだ。

 まさしく、日米貿易協定は、TPPをボイコットしたトランプを利するために、トランプに押し切られて結ばされた協定なのである。

 同じ不平等条約でも、日本の共産化を防いだ日米安保条約のほうがまだ意味があった。

 しかし今度の日米貿易協定は、ただひたすらにトランプの再選に協加担するだけの協定だ。

 それがウソだと言うなら、茂木大臣を徹底的に追及し、その密約ぶりを白日の下にさらせばいい。
 
 交渉過程と合意の実態を知れば知るほど、とんでもない協定であることがわかるだろう。

 もちろん、WTOで合意された戦後の自由貿易原則に違反する。

 そして、協定の交渉過程と内容の密約ぶりは、あの昭和の日米安保条約と全く同じだ。

 しかかもである。

 日米安保条約は、吉田茂首相が署名した。

 その密約ぶりを認め、こんな条約を署名する責任は自分ひとりで取れば十分だ、あの時はそれしかなかった、後世の政治家によって改定される事を願う、そうつぶやいて、あえて誰も従えずに、ひとり署名したのだ。

 ところがである。

 きょう10月5日の毎日新聞を見て驚いた。

 一段の小さな記事であるが、こう書かれている。

 日米両政府は新たな日米貿易協定の署名式を、日本時間の8日にも米ワシントンで開く方針を固めたと。

 なんと、国会にその最終協定案を正式に提出しないうちに、署名してしまおうというのだ。

 とんでもない国民無視の外交だ。

 しかもである。

 安倍首相がトランプと署名し、吉田茂のようにその責任を一人負うのならまだわかる。

 あるいは、安倍首相の責任をかぶって茂木外相が署名するのならまだわかる。

 なにしろ密約のすべてを一番よく知っている事実上の日米貿易協定の責任者であるからだ。

 ところがである。

 署名は杉山晋輔駐米大使が、ライトハイザー米通商代表と行う予定だという。

 令和の日米安保条約といってもいいほどの歴史的不平等条約を、外務官僚ごときに署名させてお茶を濁そうとしているのだ。

 あまりにも姑息だ。

 政治家の責任回避だ。

 野党は絶対にこの署名式を許してはならない。

 少なくとも署名を許す前に国会審議を尽くさなければいけない。

 予算委員会で議論した後でなければ署名を許してはいけないのだ。

 そして予算委員会で審議すれば、それを承認してはいけない事が次々と明らかになる。

 承認などとんでもないということになる。

 トランプと約束してしまった安倍首相は、野党が反対すれば、解散・総選挙に打って出て、国民に信を問わざるをえなくなる。

 野党はそこまで安倍首相を追い込まなければいけないのだ。

 その時こそ安倍政権が倒れる時だ。

 それ以外に安倍政権を倒せる策は今の野党にはない。

 打倒安倍政権が選挙の争点になれば、どんなにバラバラな野党でも、安倍か、反安倍か、で結束できる。

 安倍か、反安倍か、で選挙が行われるなら、どんなに選挙に関心がない国民でも、政策に疎い国民でも、選択できる。

 そして、こんな野党でも安倍よりはいいという審判が下される可能性は十分にある。

 おりから米国はトランプの再選が不透明になって来た。

 トランプと安倍の二人がいなくなった時こそ、日米安保の見直しの可能性が出て来る時だ。

 その時こそ日本が「昭和」、「平成」から決別し、あたらしい時代に突入できる時だ。

 野党は日米貿易協定の阻止を、令和の安保闘争に発展させよ。

 ここまでヒントを与えているのに、それに呼応しないようでは、野党に出番は永久に来ない(了)

 

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