8月25日の埼玉知事選で野党共闘の候補者である大野元裕氏が逆転勝利した時、野党が思ったほど大喜びしなかったことに、私は疑問を持って見ていた。
そしてその理由がわかった。
知事選を見送った上田清司氏がきのう20日、10月27日の埼玉参院補欠選に正式に立候補表明をしたのだ。
何のことはない。
大野氏と取引したのだ。
知事に飽きて、やっぱり国会議員だと、政治を渡り歩いて食い物にしているのだ。
上田氏は政党の推薦や支持は受けず、完全無所属だと胸を張っているが、誰が見ても野党共闘の候補者に映る。
ところが、野党共闘も大きな問題を抱えているという。
埼玉を地元とする枝野立憲民主党は山本太郎のれいわ新選組が候補者を立てることを警戒しているという。
一方の山本太郎は、かつて野党は立憲民主党の下で共闘すべきだと国会で叫んでいたにも関わらず、自分の党をつくって野党共闘を分裂させ、今度は参院補欠選で争うという。
自らの党を売り込むチャンスだから候補者を立てることに色気があるのだ。
なんのことはない。
枝野と山本の自己顕示の争いだ。
野党共闘など二の次だ。
そう言えば、二人とも「総理になるのは自分だ」と自ら公言している。
本気でそう言っているのならこれほど傲慢な事は無い。
冗談でそう言っているのなら東国原並みだ。
そう思っていたら、自民党が、勝ち目がないから上田清司候補に相乗りするという。
これ以上地方選で負けられないからだという。
地方選で書けたときはきまって国政選挙とは関係ないと言っておきながら。
その上田氏はこう言っているらしい。
自分は改憲勢力だと。
9条に限らず、国民的議論を経て時代に合わせて変えるべきだと(9月21日朝日)。
安倍首相が泣いて喜びそうな野党共闘の候補者だ。
自民党が相乗りするのもうなずける。
10月27日の埼玉参院補欠選は、もっとも見苦しい選挙になりそうだ(了)
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