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羽田増便で米国を優遇した理由は横田空域通過のお礼である

 きょう9月3日の各紙が一斉に報じた。

 国土交通省はきのう9月2日、2020年3月から予定する羽田空港国際線発着枠の拡大は、9カ国・地域の航空会社に1日計50便を分配することになる、と発表したと。

 そのうち24便が米国で圧倒的に多く、中国が8便と2番目に多く、ロシア、オーストラリアが4便、その他の国・地域に各2便が割り当てられることになると。

 ここまではどの新聞も同じだ。

 ところが読売新聞だけが、なぜ米国だけが優遇されるか、その理由を次のように書いている。

 「・・・米国への配分について、国交省は『国土の大きさや訪日外国人客増への期待を込めた』(国際航空課)と説明するが、ルートの一部が在日米軍が管理する『横田空域』を通るため、日本政府が米国に配慮したとの見方もある・・・」

 さすがは安倍政権に近い読売新聞だ。

 よくぞ漏らしてくれた。

 しかし、どうせ書くならもっと正確に書くべきだ。

 「配慮した」のではなく「決定事項」であると。

 そしてその決定は、あの悪名高い日米合同委員会で決められていたと。

 そして日米合同委員会の決定はすべて密約であるから、だれも本当の事はわからない、だからひとつの見方であるとしか書けなかったのだと。

 私の読者ならお分かりだろう。

 羽田空港増便については、もうひとつの大きな問題が報じられてきた。

 それは離着陸の際の飛行の騒音被害と危険性だ。

 住民の不安や反対の声が止まないのに、それでも国交省が飛行ルートを変えようとしないのは、すべて「横田空域」を通らせてもらうために、そのルートしかないと日米合同委員会で合意済みであるからだ。

 外務省は泣く子と在日米軍には勝てない。

 そして国交省は外務省に勝てない。

 その結果、すべて住民に負担をしわ寄せしするしかないのだ。

 「横田空域」について言及した以上、読売新聞はそこまで書くべきである(了)

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