私は、日米貿易合意の裏には間違いなく密約があるとにらんでいる。
なぜならば、トランプ大統領に頼みこんで先延ばしてもらった日米貿易交渉であるから、参院選が終われば、安倍首相はトランプ大統領に倍返しのお礼をしなければいけないからだ。
そうでなければトランプ大統領が満足するはずがない。
しかし、そんな譲歩を公表すれば国民の反発を受ける。
だから本当の合意は隠すしかないのだ。
そして、その私の推測が正しい事が、自民党の会合で見事に証明された。
すなわち、茂木担当大臣は、きのう8月29日の自民党の会合で日米首脳が基本合意した日米貿易交渉について報告したと、きょうの各紙が報じている。
しかし、おどろいたことに、「貿易、経済関係の強化が可能になる。バランスの取れたとりまとめが出来た」としか報告せず、合意した具体的な内容は一切明かさなかったというのだ(共同)。
メディアや野党に明かさないのならまだわかる。
しかし、政権政党であり、仲間の自民党の会合ですら、明かさなかったのだ。
まさしく密約である。
ところが、もっと驚いたのは、誰一人として中身を教えろと文句を言わなかったというのだ。
かつて、1951年、吉田茂が日米安保条約という密約を米軍兵舎の中でひとりで署名して帰国し、それが国会で審議された時、国会議員の誰ひとりとして、その内容を知らなかったことが、歴史的事実として語り継がれている。
まさしく戦後の日米関係は密約で始まり、今日まで密約が繰り返されて来たのだ。
しかし、日米安保条約の時は、国会議員は皆、知らされなかった事に激怒した。
知らされなかったものを、署名して帰ってきた後で、どうして審議しろというのかと。
若かりし頃の中曽根大勲位などは、吉田茂首相を批判する急先鋒だった。
それから60年近くたって、いまでは自民党の会合で中身を知らされなくても、誰も文句を言わないのだ。
日本は骨抜きにされたということだ。
米国の日本支配は見事に完成したということである(了)
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