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米中の更なる対立につながりかねない深刻な香港の民主化デモ

 いまから数日前、中国政府が、香港駐在の米国総領事が香港民主化運動のひとりと接触している写真を公開し、香港の民主化デモは米国の仕掛けた内政干渉だと批判した事があった。

 この時の米国の反論がふるっていた。

 理由にならない理由で、「個人情報をばらすなんて。中国は悪者だ」と反発した。

 この勝負、中国の勝ちである。

 世界のすべての反政府運動の背後には米国の工作がある。

 そう極言できるほど、米国の内政干渉は古今東西、枚挙にいとまがないが、この香港の民主化運動の背後にも、間違いなく米国の関与がある。

 そうはっきり書いた記事を、情報月刊誌「選択」の最新号(8月号)に見つけた。

 この記事は単なる推測記事ではない。動かぬ証拠だ。

 なにしろ、あのアサンジュのウィキリークスさえも、とうの昔に内部告発していたのだ。

 極めつけは、全米民主主義基金(NED)の初代理事長であるアレン・ウェインステインがすでに1991年9月22日付のワシントン・ポスト紙で語っていたという次の言葉だ。

 「われわれが今日やっていることの大部分は25年前にCIAが秘密裏にやっていたことだ」。

 全米民主主義基金は、レーガン政権時代の1983年に、「他国の民主化を支援する」名目で創立された民間非営利基金である。

 政府転覆をはじめとする他国への違法な内政干渉工作が米上院の外交委員会で追及され、制限されるようになったため、それにかわって誕生したのが全米民主主義基金なのである。

 予算は国務省の国際開発局を通じて付与されてきた。

 その基金から、香港の雨傘運動関係者に支援が供与され続けてきたのだ。

 「選択」の記事はこう締めくくられている。

 「無論、多数の香港市民の民主化実現に向けた崇高な意欲は特筆されよう。だが米国は『他国の民主化を支援する』こと自体に価値を置くような国ではない。香港の民主化運動に投げかける米国の影がより濃くなれば、中国に向けた何らかの戦略が本格的に発動された兆候と見るべきかもしれない」と。

 米中対立は、今度長期にわたって本格的に強まっていくということである。

 日米安保一辺倒から脱却し、日本の自主外交がより求められるということである(了)

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