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日米安保体制の矛盾は原爆投下国と被爆国の同盟関係にこそある

 今日発売の週刊新潮(8月15・22日夏季特別号)に、有馬哲夫・早稲田大学教授の「特別読物」が掲載されている。

 その読物は、あのNHKBS番組「悪魔の兵器はこうしてつくられた」と同様に、日本国民がどうしても知らなくてはいけない、米国の核兵器開発の不条理な史実を教えてくれている。

 またひとつ、米国公文書から有馬教授が見つけ出した驚くべき史実である。

 それは、一言で言えば、アメリカの原爆投下は、広島、長崎が最後ではなく、始まりだった、という史実だ。

 なぜトルーマン米大統領は一般市民が多数いる大都市に、無警告で、原爆を投下する事を最終決定したのか。

 それはソ連に対して「核兵器開発を断念させる」ため、「目にもの見せる」ためだ。

 決して、「終戦を早める」ためでも「真珠湾でだまし討ちした日本に罰を与える」ためでもなかったのだ。

 驚くべき事に、米国は広島・長崎原爆投下の後に、ソ連と満州主要都市を壊滅する計画を考えていたのだ。

 しかし、そのために必要な核爆弾の製造が間に合わなかった。

 その間に、ソ連はスパイ戦で勝利し、米国の計画を察知して核兵器の開発を急ぎ、米国が核兵器を実戦配備する前に原爆実験に成功したのだ。

 まさしく、広島・長崎の原爆投下は、今日の米・ロ・中の核大国のせめぎ合いの始まりだったのだ。

 唯一の被爆国である日本は、それから74年経った今、日米安保体制の下で米国の核の傘に守られ、ロシア、中国と戦う国に完全に組み込まれてしまった。

 そして、いまロシアも中国も、これまで以上に米国との核戦争に対抗できる国になり、日本への米国の核配備に反対している。

 74年前には考えられなかった破滅的な核軍拡競争が始まろうとしている。

 いまこそ日本は、唯一の原爆投下国と唯一の被爆国が同盟関係にあるという、日米安保体制の矛盾に気づくべきだ。

 今こそ日本国民は目を覚まし、日米安保条約から脱却して、核なき世界の先頭に立つべきでだ。

 有馬教授はそう訴えているのではないか。

 だからこそ、有馬教授は、その傑出した業績にもかかわらず、広く世の中に知られていないのだ。

 週刊誌の読物に、甘んじるしかないのだ。

 しかし、この週刊新潮の読物は、どの国際政治学者もかなわない優れた外交・安保上の学術的な論文だ。

 国民必読の史実だ。

 もし日米安保反対を叫んだ者たちがこの史実を知ったなら、いまこそ日米安保反対に立ち上がらなければウソだ。

 いま、まさに、国際政治は、「トランプ大統領の米国との日米同盟最優先で日本の国益は守れるのか」という踏み絵を安倍政権につきつけている。

 これ以上ないタイミングで掲載された週刊新潮の有馬哲夫教授の「特別読物」である(了)

 

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