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対米貿易交渉に見る日本と中国の大きな違い

 まるで1980年代から90年代にかけての日米貿易交渉における米国を見ているようだ。

 すなわち、貿易赤字をなくすために、経済原則を無視したあらゆる無理難題をつきつけ、それでもだめなら、最後は国そのものの構造を変えてしまえと攻める。

 日本は米国に屈して、日本そのものを失ってしまった。

 ところが中国は違う。

 日本の失敗を見て来た中国は、決してその愚は繰り返さないと、交渉が始まるずっと昔から固く心に決めていたはずだ。

 そして、あの時の日本と違って、事務レベルの協議など無駄といわんばかりに、いきなり劉鶴副首相とライトハイザー米通商代表・ムニューシン財務長官というトップレベルで交渉した。

 しかも中国は、劉鶴副首相一人に任せて米国の閣僚たちと向いあわせた。

 習近平主席はとっくに決めていたのだ。

 米中貿易交渉は自分とトランプ大統領との間で政治決着するしかないと。

 そして、金で済む事なら少しぐらい譲歩してもいいが、内政干渉は決して許さないと。

 しかも日本との決定的な違いがある。

 習近平主席は、弱腰という国内批判を恐れて交渉を頑張る。

 しかし、譲歩するしかない対米従属の安倍首相は、国内批判を恐れて国民に本当の事を隠し、成果があったと嘘をつく。

 米中協議が決裂した事を大きく報じるニュースの陰に隠れて、小さく報じられていた。

 茂木大臣がライトハイザー米通商代表と電話会談で合意し、日米貿易交渉を前倒しして、5月末の日米首脳会談までに事務方で協議を始めることになったと。

 今も昔の日本は変わらない。

 いや、変われない。

 無理難題を押しつけられ、それを国民に隠して終わる事になるだろう(了)

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