きょう5月4日の朝日新聞の社説を見て驚いた。
「憲法と日米地位協定」と題するその社説が主張していることは、一言で言えば「変えるべきは憲法(9条)ではなく地位協定である」ということである。
これは、朝日は日米同盟重視を社是にしていると散々批判して来た私にとっては、驚天動地の社説である。
もちろん朝日のこの社説はこう書いている。
「日米安保体制の意義は認めるが、地位協定によって住民の権利が脅かされている現状はこれ以上見過ごせない」と。
つまり、あくまでも日米地位協定によって日本国民の権利、すなわち主権がなおざりにされているところを変えろと、言っているに過ぎない。
日米安保体制を崩さない範囲で、日本国民の権利を守る改定を行えと言っているのだ。
しかし、朝日新聞が知らないはずがない。
もし日米地位協定に少しでも手をつける事になれば、次々と手をつかなければいけないとろこが出て来て、結局は全面改定につながらざるを得ない。
そしてまた日米地位協定の改定は、その裏にある数限りない密約をすべて白日の下にさらすことになる。
そんな事を米国が認めるはずがない。
そんなことを日本が要求すれば、米国が怒り出して米国の方からに日米安保条約を破棄するぞと脅かしてくるに違いない。
つまり日米地位協定の改定に手をつけるということは、日米同盟が破棄されるような不測の事態が起きても仕方がないと腹をくくる事に等しいのだ。
そこまで朝日が覚悟を決めてこの社説を書いたのだろうか。
もしそうなら驚天動地だ。
いまからもう十年以上事も昔の話になるが、「朝日は日米同盟を否定する天木を紙面で取り上げない方針だ」、そう米国のジャーナリストに明言した幹部がいたことを、それを聞いた本人の米国のジャーナリストから偶然にも私は直接聞いた事がある。
その発言をした朝日の幹部は、その後順調に出世し、いまでは次期社長の筆頭候補と言われている。
果たしてその幹部は朝日の次期社長から外れたのか。
あるいは自らの考えを改め、次期社長になって新党憲法9条の支持者になるのだろうか。
私にとっては、驚天動地のきょう5月4日の朝日の社説である(了)
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