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国策捜査に対する批判だけが残って終わるゴーン逮捕劇

 昨年11月の電撃的な逮捕で幕を開けたゴーン事件だが、日産からのゴーン追放という第一幕が終わり、ゴーン有罪という第二幕に入ることになる。

 そして、その第二幕がたとえゴーン有罪で終わったとしても、どうやら安倍政権と日産・検察にとって最悪の結果になりそうだ。

 なぜか。

 それは当初の目的が達成されず、国際批判だけが残ることになりそうだからだ。

 そもそも今回のゴーン事件とは何だったのか。

 それは、ひとことでいえば、誰が見てもやり過ぎだったゴーンの銭ゲバぶりを暴露し、ゴーンを叩き、追放することによって日産をルノー支配から取り戻そうとした、日産と、それを裏から支援した愛国・右翼の安倍政権(検察)の仕組まれた事件だったという事である。

 そして、安倍政権に忖度するメディアがそのシナリオに全面的に協力して大騒ぎした。

 しかし、シナリオは思うようには進まなかった。

 それどころか、逆に日産・検察は追い込まれる事になった。

 なにしろ最大の目的であった日産をルノーから取り戻す事が失敗に終わりそうなのだ。

 きょうの各紙が報じている。

 ルノーが日産に経営統合を提案していた事が関係者の話で分かったと。

 日産はこれを拒否し対等を主張していると。

 このままでは連携強化の遅れが懸念されると。

 当然である。

 ルノーの大株主である仏政府が日産を手放すはずがないからだ。

 このままでは、最大の目的が達成されないまま、ゴーン逮捕の後始末だけが残る事になる。

 日産・検察にとってはこれからが大変だ。

 何としてでもゴーンを有罪に持ち込まなければいけない。

 仮に無罪になるようなら日産・検察は計り知れない打撃を受ける。

 しかし、これからは長い法廷闘争になる。

 世論の関心は薄れ、地味な法廷闘争だけが続く。

 そして、たとえゴーンを有罪に出来たとしても、すでにゴーンは社会的に抹殺されてしまった以上、日産にとって何の得にもならない。

 勝っても得にならず、負けたら大損する。

 こんな勝負ほど馬鹿らしいものはない。

 そして、長い法廷闘争の過程で、今回のゴーン事件に見せた日本の司法の非民主性、人権軽視ぶりについて国際批判だけが残る事になる。

 これを要するに、今回のゴーン事件は、安倍政権と日産・検察にとって、ゴーンの追放だけは成功したが、それ以外は何の成果もなく、国際批判だけが残る最悪の展開になったということである。

 大失敗である(了)

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