きょう4月10日の日経新聞が、ついに日本の防衛費が対GNP比で1・3%になると言う記事を掲載した。
岩屋防衛相がきのう4月9日の衆院安保委員会で、我が国の防衛費は北大西洋条約機構(NATO)の算出基準で試算すると対国内総生産(GNP)比で1・3%になるとの認識を示したというのだ。
この岩屋防衛相の国会答弁は極めて深刻な意味を持つ。
まず統計技術上のごまかしがある。
統計疑惑問題で明らかになったように、統計のごまかしは、単なる数字のごまかしだけではない。
統計基準の変更を含めた統計手法の作為的操作で、いくらでも結論がごまかせるところが統計疑惑の本当の問題なのだ。
今度の対GNP比1・3%も、まさしく「NATO基準}で換算し直せば1・3%だと言っている。
これまでの日本の基準である対GNP比1%以内に抑えるという方針は守っていると言わんばかりだ。
NATO基準に変えて計算し直したのは、あくまでもトランプ大統領の不当な要求をかわすためのごまかしであり、むしろ日本にとって都合のいいごまかしであると言わんばかりだ。
その限りでは問題はない。
しかし、一旦1・3%という数字が公言されれば、その数字は独り歩きする。
そして、国内的には、NATO基準ではなく、従来の統計基準に従って、対GNP比1・3%に戻せばいいのだ。
その時こそ、我が国の防衛費が3割増になる時だ。
年間5兆円強の国防予算が、あっという間に6・5兆円になる勘定だ。
トランプ大統領が米国の大統領として二期8年やれば、どうしてもそれぐらいは必要になっていく。
いや、トランプ大統領が再選されなくても、米国の日本に対する防衛予算増額圧力は、強まりこそすれ弱くなることはない。
まさしく日本の防衛予算はいくら増えても足りなくなる。
岩屋防衛相がきのう4月9日の安保委員会で、わが国の防衛予算が対GNP比で、「今後5年間に1・1-1・3%になる」とはじめて言及した事の深刻性は、まさにそこにある。
この岩屋発言が大問題にならないところが、今の日本政治の大問題なのである(了)
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