私は昨日のメルマガで、朝日新聞の一段の記事を引用して、沖縄県東村高江の米軍北部訓練場のヘリコプター離着帯(ヘリパッド)に反対する住民を米軍に排除させた日本政府の暴挙について書いた。
国民を排除できるのは日本の国家権力だけである。
それが主権国家の日本の本来の姿だと。
それを米軍にさせたならそれは主権放棄だ。
この主権放棄は国会で徹底的に追及されなければいけない。
メディアはこの事件を徹底追及しなければいけない。
そう私は書いた。
ところがきょうの各紙は、どこもこの重大な事件について追及記事を書かない。
唯一、東京新聞だけが「ニュースの追跡」で書いた。
そして、この東京新聞の記事を読むと、更に驚く。
沖縄防衛局によると、テントの撤去は、「米軍提供区域内に置かれていた物件を米軍が撤去した。日米地位協定に基づき、必要な措置を取ったと承知している」と書かれていた。
やはり日米地位協定が出て来た。
それはそうだろう。
日米地位協定に基づかないで米軍が日本国民を排除する事などあり得ない。
そんなことをすれば、米軍による日本の主権侵害になるからだ。
しかし、それでは、日米地位協定によって決められている「米軍提供区域」とは何なんだ。
東京新聞の記事によれば、「県によると、テントのある場所は日米地位協定に基づく共同使用区域とされ、道路使用が認められている。『撤去したいという米軍の意向は、防衛局を通じて聞いていたが、時期は知らなかった』(道路管理局)という・・・」と書かれている。
驚いた事に、日米地位協定には、日米が共同で使用する区域があるというのだ。
そして、今度の事件ではっきりした事は、その地域は道路使用が認められているということだ。
道路使用が認められている所にテントなどを置くのは通行妨害であると、これまで日本の官憲が排除し、それが元で訴訟も行われてきた。
だから、今度の撤去も日本の警察や防衛省が行うのならわかる。
ところが、今回は米軍が直接に排除してきたのだ。
東京新聞の記事によれば、「撤去したいという米軍の意向は、防衛局を通じて聞いていた」と県の道路交通課は言っている。
これを要するに、日本の警察や防衛省が世論の反発を恐れて排除しないでモタモタしてるいるから、「俺たちが直接、排除した」と言うことなのだ。
しかもである。
いつ排除するかは沖縄県は知らなかったというのだ。
もし防衛省が米軍による排除を知っていたなら、それを事前に知らせなかった事になる。
沖縄県(国民)を裏切る行為だ。
自ら手を汚さず、米軍に排除させたということだ。
もし防衛省が米軍から何も聞かされず、防衛省の知らないところで米軍が一方的に排除にかかったのなら、米軍による完全な日本の主権侵害だ。
しかも、撤去されたのはテントだけではない。
椅子や机や、応援に来た人の為の説明板や地図、寄せ書き、横断幕など、すべてである。
これは私財没収である。
法治国家として許される事ではない。
唯一の希望は、市民側が反発し、「へこたれない。これからも危険な軍事基地に反対していく」と言って、同じ場所に立て直す作業を始めた、と書かれていたところだ。
果たして米軍は再び撤去するのか。出来るというのか。
その時こそ、日本国民が気づく時だ。
これ以上米軍に日本の主権を侵害されてたまるかと。
米軍の暴挙と、それを追認した日本政府は大きな間違いを犯した。
メディアは東京新聞の後に続くべきだ。
メディアが本気で動けば、さすがの日本国民も声を上げるだろう。
在日米軍はこれ以上、日本の居直ることは出来なくなる。
「令和」の時代はそういう時代にしなくてはいけないということだ(了)
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