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日本が日米貿易会合を急ぐ理由

  日米の貿易交渉がいつまでたっても始まらない。

 その理由は、米国が中国との交渉を優先しているからだ。

 そして米中の貿易交渉は手間取っている。

 このままいけば今年前半には終わりそうもない。

 本来ならば、日本はこの米中貿易交渉の遅れは好都合のはずだ。

 なぜなら米国が中国との交渉に手間取っている限り、日本への不当な要求は、猶予されるからだ。

 ところが、日本の方からはやく日米貿易交渉を始めようとしている。

 きのうの各紙が書いた。

 茂木経済再生相が訪米し、4月15,6日に日米貿易初会合が開かれると。

 無理難題を押しつけられる事がわかっているのに、なぜ日本の方から交渉を始めたいと言い出すのだろう。

 答えは簡単だ。

 安倍首相が訪米してトランプ大統領と会談するからだ。

 その前に茂木大臣が行って、安倍首相に恥をかかせないように、難題を押しつけないように、よろしく、というわけだ。

 その代わり、裏で何でも取引する、と伝えるためだ。

 そしてもう一つある。

 6月には安倍首相が東京でG20をホストする。

 だからG20がうまく行くように、それまでに米中交渉をまとめてくれ、それまでに、日米交渉も終わらせたい。

 間違っても、話し合いがまとまらず、非難の応酬のようにはしないでくれ、来るべきG20は議長役の安倍首相の功績で、保護主義を克服し、自由貿易の原則で一致した、と高らかに宣言させてくれ、間違っても、この前のように決裂させないでくれ。

 そう頼み込むために茂木大臣はワシントンに行くのだ。

 交渉に行くのではない。

 シナリオを打ち合わせに行くのだ。

 茂木大臣の得意とするところである(了)

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