米国が、世界の警察国家として正しく機能する民主国家であれば、日米同盟もありだろう。
しかしトランプの米国はもはやそういう国ではない。
しかも、米国議会が、対中国政策と対中東政策において、見事にトランプ政権と一致し、右傾化している。
そんな米国と軍事的に一体化することほど危険な事はない。
米国の中国に対する警戒感と敵視は、いまや経済にとどまらず安全保障分野に及んでいる。
そして、その方針は、中国の国力がこれからも増大する限り、解消不可能と思えるほどだ。
米中関係は今後長きにわたって対立関係が続き、最悪の場合は軍事的衝突に至る危険性すらあるのだ。
そのような米中の対立に、日本は決して米国の側に立って加わってはいけないのである。
そして中東だ。
イスラエルのゴラン高原併合を正式に認めたトランプの米国は、国連安保理で完全に孤立した。
それはそうだろう。
戦後の国際平和体制、すなわち国連安保理の機能を米国は完全に否定したからだ。
さすがの日本もこの併合を認めるわけにはいかなかった。
しかし米国議会はトランプ大統領の暴挙を認めている。
この米国の超党派のイスラエル擁護の中東政策こそ、日本が決して米国に従ってはいけないもう一つの政策である。
しかし、このままいけば日本は米国の対中政策にも、対中東政策にも、日米同盟を優先させていくしかない。
よほどの政治決断をしない限り、日本は、なし崩し的に、米国に引きずり込まれていく。
日本外交は、最大の試練に立たされる事になるのだ。
いまこそ日本は憲法9条の求める平和外交に立ち返る時である。
日本の政治家たちは、憲法9条こそ、最善でかつ最強の外交・安全保障政策であることに気づかなければいけないのである(了)
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