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うまくいかない事を知りながら北方領土交渉を演じた官邸官僚

 まず、次の文章をお読みいただきたい。

 「日本人は勘違いしている。経済協力と引き換えに領土交渉なんてあり得ない。経済協力は今や量も深さも中国の方が上。ロシアは日本無しでも困らない」

 これはプーチン大統領側近が日本政府関係にささやいた言葉であるという。

 そして、その日本政府関係者はこうも語って深いため息をついたという。

 「経済力がないのに経済で取引できるという国民的錯覚がある。日本は自己認識を誤っているというロシアの指摘は正しい」と。

 以上は、きょう3月25日の毎日新聞「風知草」で、特別編集委員の山田孝男記者が書いているエピソードだ。

 日本政府関係者と言うのは山田記者と旧知の間柄であるというからおそらく官邸官僚だろう。

 つまり安倍首相の北方領土交渉ははじめからうまくいかない事がわかっていたのだ。

 わかっていながら経済協力を先行させていたのだ。

 もちろん、その官邸官僚と「旧知の間柄」である山田孝男記者もその事を知っていた。

 知っていながら、交渉が真っ最中の時は決して書こうとしなかった。

 すべてが行き詰まってしまった今ごろになってこんな話を書いている。

 しかもである。

 この日本政府関係者の言葉の中にはごまかしがある。

 それは、「国民的錯覚」という言葉を使って、その誤りを国民に押しつけているところだ。

 認識が間違っていたのは国民ではない。

 安倍首相と一体になった官邸官僚なのだ。

 その官邸官僚が山田孝男記者に深いため息をついて北方領土交渉の実態をばらしたのだ。

 しかし、このエピソードをばらしたけれど、山田孝男記者は決して安倍首相を批判しない。

 国民の認識が誤りだという官邸官僚の言葉をそのまま使っている。

 歯切れの悪い暴露記事である(了)

 

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