どうやら今度の国会は統計不正問題の追及に明け暮れて終わりそうだ。
そしてこの統計不正問題について、7割以上の国民が解明されていないと考えているにも関わらず、安倍政権の支持率は下がらない。
その理由は簡単だ。
野党が安倍政権を追い詰める事が出来ないからだ。
なぜ追い詰められないのか。
その最大の理由は、もちろん、安倍政権がまともに答えようとしないからだ。
統計作成作業の複雑さがあるからだ。
しかし、それらに加えて、もっと追及が難しい問題がある。
それをきょう3月12日の朝日新聞「波聞風問」で、編集委員の原真人編集委員が「本来問われるべきことは何か」で教えてくれている。
それは一言でいえばこうだ。
本来、統計には誤差もあればブレもある。
その一つ一つに焦点を当て過ぎるのでは安倍政権の本当の悪質性に迫れない。
安倍首相の得意わざは、都合のいいデータだけを取り出し、並べ立てて、「成果」や「果実」を宣伝することだ。
そこに焦点を当てない限り、いつまでたっても追及は深まらない、というのだ。
その通りである。
しかし、まさしくこの追及こそが難しいのだ。
なぜならば、統計は事実や実態を知るための道具であると同時に、その気になれば意図的に情報操作できる道具にもなる。
そして、統計を自分の都合のいいように使い分けるのは誰もが程度の差こそあれ、使う手口だ。
安倍首相の場合はその使い方があまりにも露骨で度を超している。
しかし、森友学園問題や加計学園疑惑のように、公私混同、予算の私物化に直結するものでなければ、国民感情に火がつかないのだ。
統計のミスやそのミスをごまかす忖度はあったに違いない。
しかし、そのことと、統計を恣意的に使って国民をごまかす事の区別が国民にはつかない。
そして、その区別を、国会答弁のやり取りで国民に分からせるのは容易ではない。
野党の追及が奏功しない大きな理由の一つがここにある(了)
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